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ピロリ菌検査について

胃カメラのない診療所の除菌後のピロリ菌検査について


当院には胃カメラがありません。消化器の専門医もいません。胃カメラが必要な患者様には近隣病院に紹介します。患者様はそこで胃内視鏡検査を施行し、ピロリ菌がいる場合は除菌をし、その後結果のみ診療情報提供書で戻ってくるのがほとんどでした。

しかし最近、その流れが変わってきました。

患者様の訴えや便潜血陽性などにより、病院紹介➡病院で検査後、必要に応じピロリ菌除菌➡当院へ結果の返信(ピロリ菌除菌後の検査を当院でするようにとの内容)または(ピロリ除菌薬を処方して下さいとの内容)

そういう訳で、今まで無縁だったピロリ菌検査について少し調べてみようと思います。


ピロリ菌検査の対象患者


胃内視鏡検査(胃カメラ)時に同時にピロリ菌検査をすることがあります。ピロリ菌の検査を施行する場合、算定するには、ある一定のルールがあります。
①内視鏡検査又は造影検査において、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者

②胃MALTリンパ腫の患者  MALT(粘膜関連リンパ組織)

③特発性血小板減少性紫斑病の患者

④早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者

内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者




除菌前の感染診断法



  1. 迅速ウレアーゼ試験

  2. 鏡検法

  3. 培養法

  4. 抗体測定

  5. 尿素呼気試験

  6. 糞便中抗原測定


以上6項目の検査法のうちいずれか1項目のみ算定できる。ただし、検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1項目算定できる



迅速ウレアーゼ試験鏡検法を同時に実施

抗体測定尿素呼気試験糞便中抗原測定のうちいずれか2つの検査を同時に実施

した場合にはそれぞれの所定点数を初回実施のみ算定できる






除菌の実施


①プロトンポンプ阻害剤②アモキシリン水和物製剤③クラリスロマイシン製剤 の3剤併用療法を1日2回、7日間服用




除菌後の感染診断(除菌判定)



  1. 除菌終了後、4週間以上経過した患者に対し、ヘリコバクター・ピロリ菌除菌検査(迅速ウレアーゼ試験 鏡検法 培養法 抗体測定 尿素呼気試験 糞便中抗原測定)のいずれか1項目のみ算定できる。検査の結果、ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1項目に限り算定できる。

  2. ただし、抗体測定 尿素呼気試験 糞便中抗原測定の検査を同時に実施した場合は、主たる2つの所定点数初回実施に限り算定できる

  3. 除菌後の感染診断の結果、ヘリコバクター・ピロリ陽性の患者に対し、再度除菌を実施した場合は、1回に限り再除菌に係る費用、及び感染診断に係る費用を算定することができる





感染診断実施上の注意



  1. 除菌作用剤(ランソプラゾール等)が投与されている場合は除菌前、除菌後の感染診断実施に当たっては、薬剤投与中止または終了後2週間以上経過していることが必要

  2. 除菌後の抗体検査を実施する場合は、除菌終了後6か月以上経過した患者に対し実施し、かつ除菌前の抗体測定検査結果との定量的な比較が可能である場合に限り算定できる






診療報酬明細書への記載のルール



  1. ①内視鏡検査又は造影検査において、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者.及び⑤内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者
    において、内視鏡検査等で確定診断した際の所見・結果をレセプトの摘要欄に記載する







  2. ①及び⑤において健康診断として内視鏡検査を行った場合には、レセプトの摘要欄にその旨を記載する

  3. 除菌前感染診断、及び除菌後の感染診断において、検査の結果ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対し、再度検査を実施した場合は、レセプトの摘要欄に各々の検査法及び検査結果について記載する

  4. 除菌後感染診断を算定する場合には、レセプトの摘要欄に除菌終了年月日を記載する

  5. 除菌作用薬剤(ラベプラゾール等)を投与していた患者に対し、除菌検査を実施する場合は、レセプトの摘要欄薬剤投与中止または終了年月日を記載する

  6. 抗体測定を実施した場合は、除菌前並びに除菌後の抗体測定実施年月日及び測定結果をレセプトの摘要欄に記載する





まとめ


本来、胃内視鏡検査を実施した病院において、除菌薬が処方された後、除菌後感染診断は行って欲しいものですが、最近の当院のように胃カメラがないにも関わらず、ピロリ菌検査をする必要が出てくることもあります。その時になって慌てないように除菌後の検査の算定についてもしっかり勉強しておこうと思います。

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血液検査項目 覚えましょ

医療事務をしていると色々な専門用語に戸惑うことありませんか。医師、看護師、検査技師、様々なコメディカルの方々と話をする機会も多くなりますよね。医療事務はもちろん、医療の基本だけは覚えておくととても便利です。


血液検査項目


お恥ずかしながら、これは私の健康診断の結果です。少し、コレステロールがお高め(;´д`)。この程度の項目は一体何を調べている項目か、略称、基準値はどの程度か覚えてしまいましょう。自分の健康のためにも、もちろん業務にも絶対有利ですよ。

ここでは、最低限これだけは!というものだけをピックアップしました。



【全身】    栄養状態を見る指標

①血清総蛋白  TP  

②アルブミン  Alb  







【肝機能・胆道系】肝機能を見る指標

③ALP  アルカリフォスフォターゼ    

④AST     GOT  

⑤ALT     GPT  

⑥LD    LDH              

⑦γGT     ガンマGTP

⑧コリンエステラーゼ Che









【心臓】心臓の値を見る指標

⑨CK CPK

⑩BNP 心臓に負担がかかると高値を示します(月1回算定)








【膵臓】膵臓の値を見る指標

⑪血清アミラーゼ Amy

⑫リパーゼ








【糖尿】糖尿病の値を見る指標

⑬血糖 グルコース Glu

⑭HbA1c(NGSP) ヘモグロビンA1c(国際基準)のこと (月1回算定)








【脂質】脂質の値を見る指標

⑮総コレステロール Tcho

⑯HDLコレステロール 善玉コレステロール

⑰LDLコレステロール 悪玉コレステロール

⑱中性脂肪 TG








【腎機能】腎機能の値を見る指標

⑲尿素窒素 BUN

⑳クレアチニン Cre

㉑eEFR   年齢・性別・クレアチニン値から評価

㉒尿酸 UA  痛風の原因となるもの








【電解質】電解質の値を見る指標

㉓ナトリウム Na

㉔カリウム K

㉕クロール Cl

㉖カルシウム Ca








【炎症反応】体内の炎症を見る指標

㉗CRP 








【貧血】貧血の値を見る指標

㉘血清鉄 Fe








【末梢血液一般】

㉙白血球 WBC  

㉚赤血球 RBC

㉛ヘモグロビン Hgb 貧血の値

㉜ヘマトクリット Ht 貧血の程度








【甲状腺】甲状腺機能低下又は亢進の値を見る指標

㉝TSH FT4 FT3


まとめ


いかがでしたか。これだけは!覚えておくと便利な略称を載せてみました。最低限これだけ覚えるだけで、業務効率絶対に上がります。
医療事務員ですので、ついでにこの検査項目から病名を思い浮かべられたら、言うことなしです。
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