増減点連絡書の見方

3連休を前にレセプト伝送が終わりました。今月から電子カルテがバージンアップをし、その直後の伝送だったので無事に終わるか心配でしたが(電子カルテのバージョンアップの度にトラブルを起こすので)、なんとか通常通り伝送が終わりホッとしています。

さて、レセプトの度にお目にかかるのが国保・社保からの査定返戻に伴う書類の数々。慣れないうちは、何が何だかわからないもので、私も最初は随分頭を痛めました。

今日は増減点連絡書の見方について勉強します。


増減点連絡書の見方


これが、増減点連絡書です。通常月初の3日から7日の間には、請求した医療機関へ郵送で戻ってきます。










左から解説していきます。上記内容のものに色をつけています。


【箇所】レセプトのコードです。



  • 11 初診

  • 12 再診

  • 13 医学管理

  • 14 在宅

  • 21 内服

  • 22 頓服

  • 23 外用

  • 24 調剤

  • 25 処方

  • 26 麻毒

  • 27 調基

  • 28 投薬その他

  • 31 皮下筋肉内

  • 32 静脈内

  • 33 注射その他

  • 39 薬剤料減点

  • 40 処置・薬剤

  • 50 手術・薬剤

  • 54 麻酔・薬剤

  • 60 検査・病理

  • 70 画像診断

  • 80 その他


【法別】法別番号のことです。



  • 01 協会けんぽ

  • 02 船員保険

  • 03 日雇特例(一般)

  • 04 日雇特例(特別療養費)

  • 06 組合管掌健康保険

  • 07 自衛官(防衛省)

  • 31 国家公務員共済

  • 32 地方公務員等共済

  • 33 警察共済組合

  • 34 公立学校共済 日本私立学校振興・共済

  • 63 組合退職者

  • 72 国家公務員共済退職者

  • 73 地方公務員共済退職者

  • 74 警察特定共済退職者

  • 75 公立学校共済退職者

  • なし国民健康保険(一般)

  • 67 国民健康保険退職者

  • 39 後期高齢者


【増減点数(金額)】



  • + 審査の結果、増えた点数

  • - 審査の結果、減った点数


【事由】



  • A 適応と認められないもの

  • B 過剰と認められるもの

  • C 重複と認められるもの

  • D 前各号の外不適当(疑義解釈通知等に照らして不適当なものを含む。)又は不必要と認められるもの

  • F 固定点数が誤っているもの

  • G 請求点数の集計が誤っているもの

  • H 縦計計算が誤っているもの

  • K その他


【負担】負担割合のこと


ここでは1割

【請求内容】



  • sIL-2R 検査 451点×1

  • 生化学的検査(2)判断料 144点×1

  • B-V(血液採取料) 7日に1回 25点×1

  • 計 1665点


【補正・査定後内容】



  • 悪性腫瘍特異物質治療管理料(その他・1項目)360点×1

  • 計 1405点


解説します


(医療機関)sIL-2Rの検査をして、請求しました。今はまだ「非ホジキンリンパ腫」は確定診断ではないので、悪性腫瘍特異物質治療管理料ではなく、検査として算定しています。


(sIL-2Rの検査とは)「26」の可溶性インターロイキン-2レセプター(sIL-2R)は、非ホジキンリンパ腫、ATLの診断の目的で測定した場合に算定できる。

また、非ホジキンリンパ腫又はATLであることが既に確定診断された患者に対して、経過観察のために測定した場合は、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」により算定する


(カルテを見直してみると)sIL-2Rの検査に対し、「非ホジキンリンパ腫」の病名がつけられていました。病院側としては、生化学検査として(実際に非ホジキンリンパ腫診断はまだ非確定の状態)行っています。




(審査機関)「非ホジキンリンパ腫」という確定病名であるので、検査項目ではなく、「悪性腫瘍特異物質治療管理料」として算定しなさい。という判断です。もちろん悪性腫瘍特異物質治療管理料になるので、検査に伴うB-V及び判断料も算定できないため、その点数も含めてバッサリ落とされた訳です。


その後の対応


今回は査定を受け入れることにしました。

しかし、医師に確認すると、実際に現段階で悪性腫瘍との診断はついていないとのこと。しかし年に2回は検査が必要ということ。

次回からは検査の度に疑い病名をつけて「非ホジキンリンパ腫疑い」、その都度転帰(中止)をしていくことにしました。


まとめ


今回のレセプトでは実際の状態を医師に確認しないとわからない状態でした。

しかし、医療事務としては、レセプトの段階で、sIL-2Rの検査があると気づいた時に、

①腫瘍マーカーの検査である 

②医師に病気が確定しているのかしていないのか確認が必要 

③「悪性腫瘍特異物質管理料」を取れる状態か否か

上記の①②③に気付けば、防げた査定です。レセプトって、審査側に?と思わせるところはないか、想像力を働かせて、細かいチェックが必要ですね。
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レセプト病名による、薬の減点について

大事なのはモチベーション


今日は月に1度のスタッフミーティングでした。先週は個人面談週間でしたので、各々スタッフから院長に要望があったこと、説明を求められたことに対する返答会も兼ねていました。

私も数々の要望や疑問点などを院長にぶつけましたが、一番大きな要望は、賞与アップでした。私以外にも同じような要望があったようで(小さなクリニックなので、労働組合はありません。)その回答は次のようでした。


院長:「医療業界は、収益が大きく伸びたり落ちたりする業界ではないので、毎年一回のベースアップはするが、賞与で個人を評価しません。」


つまり賞与アップは考えていない。との回答。

公式に全員の前で回答があったので、今後も大きく覆ることもないでしょう。すっかりモチベーションが下がってしまいました。




それでもレセプトです


モチベーションが下がったとはいえ、やるべきことはしっかりとやらなくてはいけません。今週の土曜日にレセプト伝送を予定しているので、本日は休診日とはいえ、レセプトチェックでクリニックに缶詰め状態でした。

今回特にチェックで気を付けたのが、薬に対する病名。以前に、減点になったものを中心に、総点検です。



アマージ 減点


減点事例:アマージ2.5㎎×3錠

事由:医学的に適応と認められない


減点理由を分析:アマージ、片頭痛薬。「頭痛発見時に1回2.5㎎ 1日5㎎以内」。

アマージ2.5㎎×3錠では、1日に7.5㎎服用することになります。「頭痛発見時」とあるので、内服ではなく、頓服が基本。頓服ですので1回量を基本とし、10日までが原則です。



トラムセット配合錠 減点


減点事例:トラムセット配合錠 

病名:慢性疼痛

事由:医学的に適応と認められない


減点理由を分析:トラムセット配合錠は単なる疼痛病名だけでは、通りません。非がん性慢性疼痛、又は難治性疼痛等の病名が必要です。



スピリーバ吸入用カプセル18μg 減点


減点事例:スピリーバ吸入用カプセル18㎍

病名:急性気管支炎

事由:医学的に適応と認められない


減点理由を分析:スピリーバ吸入用カプセルは、気管支炎では通りません。慢性閉そく性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)もしくは気管支喘息の病名が必要です。



ネキシウムカプセル20㎎ 減点


減点事例:ネキシウムカプセル20㎎ 初回投与日から8週を超えて投与

病名:逆流性食道炎


減点理由を分析:ネキシウムカプセルは1日1回20㎎。胃潰瘍、吻合部潰瘍、維持療法除く逆流性食道炎8週間まで。8週を超えて処方する場合は、難治性逆流性食道炎の病名が必要です。




まとめ


過去の失敗は、現在の糧になります。失敗や間違いを犯したときは、喜んでその事実を受け止め、次に繋げましょう。

労働者ですので、賞与アップを望むのは当然ですが、それがなくても仕事や苦労は必ず自分の糧になっています。それをプラスに捉えてモチベーションにつなげましょうか( ;∀;)



脈波の算定

脈波検査

動脈硬化、狭窄の程度を見るために、しばしば脈波検査が行われます。検査の内容はこんな感じ。


両腕、両足に血圧測定用のカフを同時に巻いて、自動で血圧と脈圧を測る検査です。そこからPWVとABIを割り出し、血管がしなやかかどうか、測定します。その値によって動脈硬化はあるか、狭窄、閉塞の程度はどうか定量的に見ることができます。
  • PWVとは、心臓から押し出された拍動を上腕と足関節の脈波を測定し、2点間の時間差と距離を求めることにより算出するもの。血管の硬さ(しなやかさ)がわかります。
  • ABIは足関節の収縮期血圧(上の血圧)を上腕の収縮期血圧(上の血圧)で割って求めます。(どちらか高い方の値を使用)
 

脈波の算定

  • PWV測定は、D214「6」血管伸展性検査(100点)で算定します。
  • ABI検査は、血圧測定のため、基本診療に含まれます。


大量減点

実は、2年前に1か月に約数十件、一気に査定になったことがあります。それがこの脈波でした。当初、この脈波検査を間違ってこのように算定していました。

誤:脈波図、心機図、ポリグラフ(3又は4検査)130点
       ↓
正:血管伸展性検査 100点

数か月して戻ってきた連絡文書には次のようなことが書いてありました。
「標記検査については、平成22年度4月の診療報酬改定にあたり「誘導」の考え方が変更されました。例えば四肢に電極を装着した場合は、「4誘導」として算定されていましたが、平成22年4月の診療報酬改定より「誘導数」から「検査数」に点数の区分が変更されたため「1検査」と考えられます。(4検査ではありません。)また、通常行われます脈波図・心機図・ポリグラフ検査にて脈波電動速度を求めている場合は、「血管伸展性検査(D214(6)100点)での請求が妥当と考えます。以上のことから請求に際しましてご留意いただきますようお願い致します。」
後にも先にもこのような丁重なお手紙付きでの、大量査定を頂いたのは初めてのこと。冷や汗の出る苦い思い出減点です。


まとめ

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算定は、正しいと思い込んでいると何の疑いもせず、日々が過ぎて行きます。この脈波の件も同様。この場合は、減点対象でしたので、審査にかけられ戻ってきたことで気付くことが出来ましたが、もし、算定出来るものを取り忘れていた場合は、誰からも指摘されることなく、そのまま損をしたまま過ぎて行ってしまいます。普段何気なく算定している点数を、時折見直してみることが必要かも。大きな取り漏れや、間違いに気付くこともあるかもしれません。

抗認知症薬の病名について

アリセプト8㎎減点


先日、アリセプト8㎎の処方が減点されました。理由はアルツハイマー型認知症の病名に高度がなかったことによるもの。通常アリセプトは3㎎を2週間で開始し、5㎎、8㎎、10㎎と増量していくもので、当院では10㎎に上がった段階で、高度アルツハイマー型認知症の病名をつけていました。8㎎で高度がないことによる減点のようです。




薬剤の本を確認する


私の愛読する「今日の治療薬」南江堂を確認してみると、




適応:アルツハイマー型認知症
用量:1日1回3㎎から開始、1~2週間後に5㎎に増量、高度には5㎎で4週間以上経過後、10㎎に増量




とあります。なるほど、8㎎にするという状態については明記していませんが、5㎎を4週間以上経過後、それ以上に増えた場合は高度病名がいるということでしょうか。

実際、査定されてしまったので、次回から気を付けるしかありません。




抗認知症薬4剤の病名について


抗認知症薬にはアリセプトの他に、イクセロンパッチ、レミニール、メマリーなどが処方されます。4剤は症状や体質などによって、変更になることがあります。実際の患者さんの状態が高度認知症であっても、薬剤によっては、高度を削除しないとレセプトは通過できません。

例えば、アリセプト10㎎を服用されていた方が、薬の副作用で興奮状態が持続したり、食欲不振が増強し、イクセロンパッチに変更した場合、病名を高度アルツハイマー型認知症➡アルツハイマー型認知症に戻します。実際の患者様の状態は高度アルツハイマー型認知症のままであっても、レセプト病名として、高度を外すという訳です。



4剤を薬剤本で確認する












イクセロン、レミニールの場合は、軽・中等度

アリセプトは、軽度から高度

メマリーは、中等度・高度

の病名が適応のようですね。

4剤とも副作用も多いので、薬剤の変更は度々起こります。薬剤が変わる度に、病名は大丈夫かチェックする必要がありそうです。



レビー小体型認知症は、ドネペジル(後発薬)不可の原則


上記の表、アリセプトの②をご覧下さい。
レビー小体型認知症の場合、後発医薬品は未取得になっています。要するに、レビー小体型認知症の場合は、アリセプト(先発薬)のみが適応病名です。ついうっかり一般名で処方することのないよう、注意します。


まとめ


抗認知症薬は現在4剤のみ。認知症が世間に広く知れ渡って、治療を望む患者様が増えているので需要が増えています。今の段階では認知症をよくすることはできませんが、少しでも認知を遅らせたいという患者様が、次から次に今日も病院を訪れてきます。お蔭で業務時間が延びる一方。疲弊しているスタッフ一同です。

今月のレセプトチェック 投薬のルール

早いもので9月が始まりました。急に空が青く澄んで、秋風が心地よく感じられるようになりましたね。さて、レセプトシーズンです。今月も張り切って点検スタート!


投薬の基本



レセプト点検の時に、何を重点的にチェックしていますか?意外に漏れてしまうのが、投薬の内容。病名に漏れがないかは、チェックしますが、内容については見落としがちなもの。一旦医師が、処方したものですので、今更処方内容は変更できませんが、医事として、過剰と判断できる場合、前もって症状詳記をつけたりなど工夫は出来るものです。まずは投薬の基本の主なものをピックアップ。



  1. 同一患者に同一日に院内処方と院外処方は、原則、認められない(緊急時の臨時処方として同一日に院内・院外処方を行った場合:処方箋料と院内投薬の薬剤料のみ算定する。院内投薬に係る処方料・調剤料・調剤技術基本料は算定できません。)


  2. 薬剤量と適応は、記載どおりのものとする(文献を確認すること)私は、「今日の治療薬」南江堂でいつもチェックします。

  3. 頓服は、1回につき10日まで(当院では14日まで出すこともありますが、今のところ減点はありません。)

  4. 抗生剤など常用量を越えないこと

  5. 禁忌薬のチェック

  6. 内服の処方日数は基本30日まで

  7. 湿布は1回につき70枚まで

  8. うがい薬のみの治療を目的としない投薬は算定できない





その他、薬についてはここで書ききれないほどのルールがあります。いつも大体同じ薬剤が出る場合は、診療点数早見表の「投薬」の欄などを参考に、院内ルールをあらかじめ作っておくことをお勧めします。



参考:こちらのページもどうぞ 


バルトレックス   ヨーデル   クラリスロマイシン   アリセプト3㎎ 

薬の長期処方   漢方薬の保険適用   湿布枚数         一般名処方 

特処・長期      処方せん料             病名整理


まとめ


投薬に関するレセプトチェックは、多剤にわたり、ルールも様々で専門的ですので難しく感じられますが、まずは、院内でよく処方される薬についてチェックをし、院内ルールを作っておくことをお勧めします。あと、過去に査定された一覧表を作っておくとレセプトチェックに一役買いますよ。ではみなさんレセプト週間、頑張って乗り切りましょうね。
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