査定率を調べる

レセプトデーター分析


開院して3年目を迎え、手探り状態で始まったレセプト業務もようやく効率よく進められるようになってきました。事務員担当者誰もが、レセプト業務に平等に携われるところまで来て、主任としてはホッとしているところです。

今思えば、レセプト業務の細かい処理も誰1人として、わからないまま、よくここまでやってこれたなあ~という感じ。

さて、ここまでやってきた証として、今までのデータ分析をすることにしました。


  • 査定率は?

  • 返戻率は?

  • 再審査率は?


さて調査開始です。




査定とは?


査定、査定とよく言いますが、実は私、勘違いをしていました。

提出したレセプトが減点されて戻ってきたときに、「査定された」という言葉で表現してたのですが、本当はそうではありません。

査定とは・・・調べて決定するという意味で、レセプト上では、レセプトを審査して増減点されること。

つまり、減点になっても増点になっても査定というのです。

そもそも減点はよくありますが、増点など、ほとんど見かけたことがないので当然の誤解だったのかもしれませんが。

そして肝心の査定率ですが、現在調査中。しかし調べているうちに面白いことを発見しました。




長期投薬加算の減点


2~3年前で査定の一番多いものは、特定疾患療養管理料でしたが(他院退院後1か月以内の算定での減点)、2016年度4月の改定で、他院退院後1か月以内の特定疾患療養管理料も算定出来ることになったので、今では無くなりました。

相変わらず一番多いと思われるのは、長期投薬加算の減点です。

特定疾患に対する投薬がないと思われる「長期投薬加算」が算定誤りとして、減点されるのです。

つまりこんな感じです。⇓






え?増点?


実は、今月の増減点連絡書に面白い査定がありました。
なんとこれ!⇓






なんと!増点されているではないですか!それもいつも減点される長期投薬加算です!
たまにはこんなこともあるんですね~。こういう病院側のミスは、知らず知らずか、わかってだか、絶対に戻ることはないと思い込んでいたので、この嬉しい誤算は、驚きでした。
たかが47点。されど47点です。ありがたいことです。


まとめ


レセプト週間みなさま、お忙しく過ごされていることと思います。当院でもレセプト送信は木曜日を予定しているので、毎日の業務の傍らせっせとレセプトチェックをしています。
レセプトチェッカーのようなソフトを利用していない当院としては、人間コンピューターがフル回転してレセプトをチェックしていきます。
レセプトをチェックするのに必要なのは技術は勿論ですが、一番重要なのは集中力!
その次に必要なのは、膨大なレセプトを片付けていく忍耐力!
実にアナログな世界です。

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支払基金通信より



支払基金通信

レセプトの時期になると、返戻や、再審査通知などと共に送られてくる、「支払基金通信」、読んでますか?
いつもさっと、目は通すもののあまり役立つ情報がないという印象でしたが、今月の文書は有効でした。
支払基金における審査の一般的な取扱の公表に関する検討委員会の記事。
簡単に言うと「算定について、こういう事例は算定しますよ。」っていうお知らせです。今日はその中で私が役に立った情報をピックアップしてみました。

 

他医療機関(検診も含む)でヘリコバクター・ピロリ菌陽性の場合の取り扱いについて

  1. 除菌前である
  2. ヘリコバクター・ピロリ感染診断の請求無し
  3. 他院で内視鏡を実施し、ヘリコバクター・ピロリ陽性
  4. 又は検診の内視鏡で、ヘリコバクター・ピロリ陽性
  5. 病名がある(胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍)
  6. 症状詳記がある
除菌治療薬(3剤併用・7日間投与)を認める

アルツハイマー型認知症の病名と脳血管障害の病名が併存している場合のアリセプト内服薬の投与について

  1. アルツハイマー型認知症の病名あり
  2. 脳血管障害(脳梗塞後遺症・多発性脳梗塞)の病名あり
アリセプト内服投与を認める


ペリシット錠の病名について

動脈硬化症のみ
原則認められない
(高脂血症)+(ビュルガー病、閉塞性動脈硬化症、レイノー病、レイノー症候群に伴う末梢循環障害など)の病名が必要

セルテクト錠の病名について

慢性気管支炎
原則認められない
セルテクト錠は、第2世代抗ヒスタミン薬である
(アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚瘙痒症、湿疹・皮膚炎、痒疹)の病名が必要

H2ブロッカー(ガスター等)とプロトンポンプ・インヒビター(PPI)(オメプラール錠等)の併用

  1. H2ブロッカー(ガスター、タガメット、アルタット、アシノン等)を投与
  2. PPI(オメプラール、パリエット、ネキシウム、タケキャブ等)を投与
  3. 1と2を併用投与した場合
原則として認められない

単なる浣腸又は座薬挿入時のキシロカインゼリーの使用

  1. 単なる浣腸
  2. 座薬挿入時
  3. 1又は2においてキシロカインゼリー2%の使用
原則として認めない

まとめfc2blog_20171021234708d0b.jpg

これを機にじっくり支払基金のホームぺージをクリックしてみると、結構面白いです。「月間基金」なる雑誌の一部も掲載されていて、定期購読してみたいなあ~と思わせる内容。院長に交渉してみようかなと思いました。

みなさんも是非一度クリックしてみて下さいね。➡支払基金



増減点連絡書の見方

3連休を前にレセプト伝送が終わりました。今月から電子カルテがバージンアップをし、その直後の伝送だったので無事に終わるか心配でしたが(電子カルテのバージョンアップの度にトラブルを起こすので)、なんとか通常通り伝送が終わりホッとしています。

さて、レセプトの度にお目にかかるのが国保・社保からの査定返戻に伴う書類の数々。慣れないうちは、何が何だかわからないもので、私も最初は随分頭を痛めました。

今日は増減点連絡書の見方について勉強します。


増減点連絡書の見方


これが、増減点連絡書です。通常月初の3日から7日の間には、請求した医療機関へ郵送で戻ってきます。










左から解説していきます。上記内容のものに色をつけています。


【箇所】レセプトのコードです。



  • 11 初診

  • 12 再診

  • 13 医学管理

  • 14 在宅

  • 21 内服

  • 22 頓服

  • 23 外用

  • 24 調剤

  • 25 処方

  • 26 麻毒

  • 27 調基

  • 28 投薬その他

  • 31 皮下筋肉内

  • 32 静脈内

  • 33 注射その他

  • 39 薬剤料減点

  • 40 処置・薬剤

  • 50 手術・薬剤

  • 54 麻酔・薬剤

  • 60 検査・病理

  • 70 画像診断

  • 80 その他


【法別】法別番号のことです。



  • 01 協会けんぽ

  • 02 船員保険

  • 03 日雇特例(一般)

  • 04 日雇特例(特別療養費)

  • 06 組合管掌健康保険

  • 07 自衛官(防衛省)

  • 31 国家公務員共済

  • 32 地方公務員等共済

  • 33 警察共済組合

  • 34 公立学校共済 日本私立学校振興・共済

  • 63 組合退職者

  • 72 国家公務員共済退職者

  • 73 地方公務員共済退職者

  • 74 警察特定共済退職者

  • 75 公立学校共済退職者

  • なし国民健康保険(一般)

  • 67 国民健康保険退職者

  • 39 後期高齢者


【増減点数(金額)】



  • + 審査の結果、増えた点数

  • - 審査の結果、減った点数


【事由】



  • A 適応と認められないもの

  • B 過剰と認められるもの

  • C 重複と認められるもの

  • D 前各号の外不適当(疑義解釈通知等に照らして不適当なものを含む。)又は不必要と認められるもの

  • F 固定点数が誤っているもの

  • G 請求点数の集計が誤っているもの

  • H 縦計計算が誤っているもの

  • K その他


【負担】負担割合のこと


ここでは1割

【請求内容】



  • sIL-2R 検査 451点×1

  • 生化学的検査(2)判断料 144点×1

  • B-V(血液採取料) 7日に1回 25点×1

  • 計 1665点


【補正・査定後内容】



  • 悪性腫瘍特異物質治療管理料(その他・1項目)360点×1

  • 計 1405点


解説します


(医療機関)sIL-2Rの検査をして、請求しました。今はまだ「非ホジキンリンパ腫」は確定診断ではないので、悪性腫瘍特異物質治療管理料ではなく、検査として算定しています。


(sIL-2Rの検査とは)「26」の可溶性インターロイキン-2レセプター(sIL-2R)は、非ホジキンリンパ腫、ATLの診断の目的で測定した場合に算定できる。

また、非ホジキンリンパ腫又はATLであることが既に確定診断された患者に対して、経過観察のために測定した場合は、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」により算定する


(カルテを見直してみると)sIL-2Rの検査に対し、「非ホジキンリンパ腫」の病名がつけられていました。病院側としては、生化学検査として(実際に非ホジキンリンパ腫診断はまだ非確定の状態)行っています。




(審査機関)「非ホジキンリンパ腫」という確定病名であるので、検査項目ではなく、「悪性腫瘍特異物質治療管理料」として算定しなさい。という判断です。もちろん悪性腫瘍特異物質治療管理料になるので、検査に伴うB-V及び判断料も算定できないため、その点数も含めてバッサリ落とされた訳です。


その後の対応


今回は査定を受け入れることにしました。

しかし、医師に確認すると、実際に現段階で悪性腫瘍との診断はついていないとのこと。しかし年に2回は検査が必要ということ。

次回からは検査の度に疑い病名をつけて「非ホジキンリンパ腫疑い」、その都度転帰(中止)をしていくことにしました。


まとめ


今回のレセプトでは実際の状態を医師に確認しないとわからない状態でした。

しかし、医療事務としては、レセプトの段階で、sIL-2Rの検査があると気づいた時に、

①腫瘍マーカーの検査である 

②医師に病気が確定しているのかしていないのか確認が必要 

③「悪性腫瘍特異物質管理料」を取れる状態か否か

上記の①②③に気付けば、防げた査定です。レセプトって、審査側に?と思わせるところはないか、想像力を働かせて、細かいチェックが必要ですね。

レセプト病名による、薬の減点について

大事なのはモチベーション


今日は月に1度のスタッフミーティングでした。先週は個人面談週間でしたので、各々スタッフから院長に要望があったこと、説明を求められたことに対する返答会も兼ねていました。

私も数々の要望や疑問点などを院長にぶつけましたが、一番大きな要望は、賞与アップでした。私以外にも同じような要望があったようで(小さなクリニックなので、労働組合はありません。)その回答は次のようでした。


院長:「医療業界は、収益が大きく伸びたり落ちたりする業界ではないので、毎年一回のベースアップはするが、賞与で個人を評価しません。」


つまり賞与アップは考えていない。との回答。

公式に全員の前で回答があったので、今後も大きく覆ることもないでしょう。すっかりモチベーションが下がってしまいました。




それでもレセプトです


モチベーションが下がったとはいえ、やるべきことはしっかりとやらなくてはいけません。今週の土曜日にレセプト伝送を予定しているので、本日は休診日とはいえ、レセプトチェックでクリニックに缶詰め状態でした。

今回特にチェックで気を付けたのが、薬に対する病名。以前に、減点になったものを中心に、総点検です。



アマージ 減点


減点事例:アマージ2.5㎎×3錠

事由:医学的に適応と認められない


減点理由を分析:アマージ、片頭痛薬。「頭痛発見時に1回2.5㎎ 1日5㎎以内」。

アマージ2.5㎎×3錠では、1日に7.5㎎服用することになります。「頭痛発見時」とあるので、内服ではなく、頓服が基本。頓服ですので1回量を基本とし、10日までが原則です。



トラムセット配合錠 減点


減点事例:トラムセット配合錠 

病名:慢性疼痛

事由:医学的に適応と認められない


減点理由を分析:トラムセット配合錠は単なる疼痛病名だけでは、通りません。非がん性慢性疼痛、又は難治性疼痛等の病名が必要です。



スピリーバ吸入用カプセル18μg 減点


減点事例:スピリーバ吸入用カプセル18㎍

病名:急性気管支炎

事由:医学的に適応と認められない


減点理由を分析:スピリーバ吸入用カプセルは、気管支炎では通りません。慢性閉そく性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)もしくは気管支喘息の病名が必要です。



ネキシウムカプセル20㎎ 減点


減点事例:ネキシウムカプセル20㎎ 初回投与日から8週を超えて投与

病名:逆流性食道炎


減点理由を分析:ネキシウムカプセルは1日1回20㎎。胃潰瘍、吻合部潰瘍、維持療法除く逆流性食道炎8週間まで。8週を超えて処方する場合は、難治性逆流性食道炎の病名が必要です。




まとめ


過去の失敗は、現在の糧になります。失敗や間違いを犯したときは、喜んでその事実を受け止め、次に繋げましょう。

労働者ですので、賞与アップを望むのは当然ですが、それがなくても仕事や苦労は必ず自分の糧になっています。それをプラスに捉えてモチベーションにつなげましょうか( ;∀;)



脈波の算定

脈波検査

動脈硬化、狭窄の程度を見るために、しばしば脈波検査が行われます。検査の内容はこんな感じ。


両腕、両足に血圧測定用のカフを同時に巻いて、自動で血圧と脈圧を測る検査です。そこからPWVとABIを割り出し、血管がしなやかかどうか、測定します。その値によって動脈硬化はあるか、狭窄、閉塞の程度はどうか定量的に見ることができます。
  • PWVとは、心臓から押し出された拍動を上腕と足関節の脈波を測定し、2点間の時間差と距離を求めることにより算出するもの。血管の硬さ(しなやかさ)がわかります。
  • ABIは足関節の収縮期血圧(上の血圧)を上腕の収縮期血圧(上の血圧)で割って求めます。(どちらか高い方の値を使用)
 

脈波の算定

  • PWV測定は、D214「6」血管伸展性検査(100点)で算定します。
  • ABI検査は、血圧測定のため、基本診療に含まれます。


大量減点

実は、2年前に1か月に約数十件、一気に査定になったことがあります。それがこの脈波でした。当初、この脈波検査を間違ってこのように算定していました。

誤:脈波図、心機図、ポリグラフ(3又は4検査)130点
       ↓
正:血管伸展性検査 100点

数か月して戻ってきた連絡文書には次のようなことが書いてありました。
「標記検査については、平成22年度4月の診療報酬改定にあたり「誘導」の考え方が変更されました。例えば四肢に電極を装着した場合は、「4誘導」として算定されていましたが、平成22年4月の診療報酬改定より「誘導数」から「検査数」に点数の区分が変更されたため「1検査」と考えられます。(4検査ではありません。)また、通常行われます脈波図・心機図・ポリグラフ検査にて脈波電動速度を求めている場合は、「血管伸展性検査(D214(6)100点)での請求が妥当と考えます。以上のことから請求に際しましてご留意いただきますようお願い致します。」
後にも先にもこのような丁重なお手紙付きでの、大量査定を頂いたのは初めてのこと。冷や汗の出る苦い思い出減点です。


まとめ

2011_0916_092131-003.jpg

算定は、正しいと思い込んでいると何の疑いもせず、日々が過ぎて行きます。この脈波の件も同様。この場合は、減点対象でしたので、審査にかけられ戻ってきたことで気付くことが出来ましたが、もし、算定出来るものを取り忘れていた場合は、誰からも指摘されることなく、そのまま損をしたまま過ぎて行ってしまいます。普段何気なく算定している点数を、時折見直してみることが必要かも。大きな取り漏れや、間違いに気付くこともあるかもしれません。
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Author:なつこ
某クリニックの医療事務をしております「なつこ」と申します。
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