ベンゾジアゼピン系薬剤の長期継続処方の減算規定
2018/4の診療報酬改定でベンゾジアゼピン系の薬剤についての減算規定が設けられましたよね。抗不安薬系の薬や睡眠薬の薬を2018/4から1年以上連続投与した場合、2019/4から処方料29点、処方箋料40点に減点になりますよ。っていう例のあれです。これによって算定点数が、内服薬7種以上の場合と同じ安い点数になってしまうということです。
当院は内科ですが、睡眠薬を服用している患者様の多いこと、多いこと。処方箋料の減点はとても重大なことで、クリニックの収入減につながる非常に大きな問題です。如いてはスタッフの給料カットなんてことになったら大変ですから。
- 高齢者の訴えのベスト1は、「眠れない」「寝てない」
- その次が「便が出ない」
- その次ぐらいが「しんどい」
という感じではないでしょうか。
ベンゾジアゼピン薬とは・・・2018/3/5日本医師会Q&Aより参照
具体的には、エチゾラム、ジアゼパム、ゾピグロン、ゾルピデム酒石酸塩などが該当します。こちらのホームページでチェックしてみてください。→ベンゾジアゼピン受容体作動薬の依存性について
結構使用頻度の高い薬ですよね。精神科でなくても処方している診療所さんも多いのでは。私もチェックしてみると普通に自院で処方されている薬ばかりでした。
減算規定への対策方法
減算規定があると書きましたが、対策の方法はあります!
それは、医師に研修を受けてもらえばいいのです。
何故なら「不安又は不安に係る適切な研修」または「精神科薬物療法に係る適切な研修」を修了した医師が処方した場合は長期処方に該当しないとされているからです。
☟(平成30年3月30日 厚労省事務連絡)より
「不安又は不眠に係る適切な研修」については、現時点で日本医師会の生涯教育制度における(eーラーニングを含む)において、カリキュラムコード69「不安」又はカリキュラムコード20「不眠」を満たす研修であって、プライマリケアの提供に必要な内容を含むものを2単位以上取得した場合をいう。
「精神科薬物療法に係る適切な研修」については、現時点で日本精神神経学会又は日本精神科病院協会が主催する精神科薬物療法に関する研修をいう。ただし、精神科の臨床経験5年以上を有する状態で受講した場合のみ該当する。
その他に「精神科医の助言を受ける」という手もありますが、その都度精神科医とやりとりをするのは大変ですし、研修を受けてもらっておく方が手っ取り早いですよね。
減算発生は2019/4より
厳密にいうと減算発生は2019/4からのことです。2018/4から1年以上の長期処方に対し減算となります。定期処方で出し続けてきた場合が対象で、定期から頓服に変わったなどの場合は、継続処方には当てはまりませんが。
しかし、今年ももう残すところ1か月。2019年の4月などもう目の前です。
「そろそろ先生、e-ラーニングの季節ですよ。」とささやくのも医療事務の大切な仕事です。