ヒヤリハットとは
ヒヤリハットとは、その名前の通り、「ヒヤっとしたり、ハットしたりした出来事」の意味。日常の診療現場で患者に傷害を及ぼすには至らなかったが、医療事故に発展する可能性をもった出来事のことです。別名「インシデント」とも言います。看護師さんだったら針刺し事故や、検査ミスなどがありますが、事務のインシデントはどういうことを言うのでしょうか。
- 保険証の返し間違え
- 患者様間違え
- 会計ミス
- 算定間違え
- 予約ミス
- 電話対応ミス
などがそれに当たります。事務のミスは患者様の命までをも脅かすようなことはないですが、お金に関すること、個人情報に係ること、事務としてミスがあった時、又は患者様に迷惑をかけたりしたときなどはヒヤリハット報告をしなければなりません。
私の勤めるクリニックでも、小さなミスも院長に「ヒヤリハット報告」をするように決められています。ヒヤリハットを書くのはとても嫌なことですが、患者様のため、自分のため、スタッフみんなのために自分のミスは必ず全員で共有しましょう。
ヒヤリハット用紙

ヒヤリハットが起きた場合は、上記のような用紙で報告します。「いつ」「誰が」「誰に」「何を」「なぜ」「どのように」という要素を含めた内容を記載します。内容は可能な限り具体的に記載しましょう。
ヒヤリハットは気を付けても起こるもの
あまり大きな声では言えませんが、私も結構、ヒヤリハットをしてきました。患者さんの算定ミスをして、次回追加でお金を頂いたり、返金したり。予約票を間違えて他の患者様に渡してしまったり。少しぼーっとしただけでミスは起きてしまいます。
「このぐらいなら報告しなくてもいいだろう。」「誰も見てなかったし。」と報告をしないまま通り過ぎることもあるかもしれません。しかし、報告をすることによって、小さな事例も院内で共有して、話し合いの機会を持つことが、次のヒヤリハットを未然に防ぐ最大の防御策です。
まとめ
当院では毎月1回スタッフミーティングが行われています。その時にその月のヒヤリハットも暴露されてしまうので、ミスをした月はとてもブルーになります。一度反省したものを再度掘り起こされるような感じがするからです。本音を言うと、スタッフミーティングで過去の事例を発表するようなやり方は、あまり良いとは思えません。大人同士ですし、小さな世界ですし、ミスしたことは誰もが知っていることですから。何ももう一度掘り起こしてつつかなくても。というのが本音。皆様のところではヒヤリハット事例をどういうふうに共有していますか?