多剤投与ルール撤廃か
内服薬が処方されるときに算定できるF400の処方箋料、ちょっと面倒ですよね。当院では電子カルテを使用しているため、自分で考えるというより、電カルが勝手にカウントして処方箋料を算定してくれるので、楽といえば楽なんですが、「6種類以下」と「7種類以上」では処方箋料が違います。
カウントルールも結構細かくて、難しいと思いませんか?
1回の投与に錠剤、カプセル剤は1銘柄ごとに1種類と数えますが、散剤、顆粒剤、液剤などで、混合して服薬するよう調剤する場合は、合わせて1種類と数えます。また1剤(1日分につき)20点以下は全体で1種類と数えたり、同一銘柄の企画違いも1種類と数えたり、なかなか難しいですよね。
当院でもこのルールのカウント間違いで(電子カルテも間違えます)査定されることも度々あります。
このややこしいルールもしかしたら2020年の診療報酬改定では無くなるかもしれません。
中医協の意見書より
8.投薬
(1)7種類以上の内服薬処方時及び向精神薬多剤投与時の処方料、薬剤料、処方箋料の減算の撤廃
多数の疾患を抱える患者、特に高齢者をかかりつけ医が担当するためには多剤投与が必要となるケースは避けられない。多剤投与の方が投薬管理は複雑になり加算も検討すべきであり、減算される仕組みは不合理である。
糖尿病だけでも4種類の薬剤が必要な場合が少なくない。高血圧症、高コレステロール血症などが合併すると7種類以上になるケースが多い。
私もずっと思っていたんですよね。薬が増えるには理由があって、その分診察も複雑になるのに7種類以上になると減算されるなんて、もともとおかしいんじゃないのって。ここにどんなメスがいれられるのか今から楽しみです。
そのほかにも
- 一包化加算の新設
- 30日を超える長期投薬を減らす取り組みを導入
- 90日以上の超長期処方には必要理由の義務付け
- 一般名処方加算の増点
など、投薬部分にも改定がありそうですね。
まとめ
最近では、当院でも投薬の際、ほとんど一般名で処方されるようになりました。最初は患者様も先発薬になじみが深く、一般名で処方された処方せんを見て「この薬はいつもの薬じゃない!」と血相を変えて受付に来られる方も多かったものです。事務員の方も先発薬だとなんの薬か分かるけれども、後発薬になると何がなんだかわからなくなって困ったものです。しかし慣れとは恐ろしいもので、最近では一般名で覚えてしまって、先発薬の薬なんだっけ?なんて思うことも。益々複雑化される診療報酬についていけるよう、しっかり身構えていきましょう。