皆さん、ご苦労さまです。今日は私が実際携わっている医師事務作業補助者の仕事内容について具体的にお伝えします。これは前勤務先で実際に日々行っていた診察室でのマニュアルです。当時私は消化器の外来の医師事務作業補助者をしておりました。3人の医師が曜日によって入れ替わるので、医師によって業務内容は多少変わりましたが、大まかな概要は同じです。
医師事務作業補助者マニュアル(消化器科)
1、(外来)外来患者の①処方、注射②検査、画像、③汎用、④文書作成、
⑤予約、⑥問診入力、
⑦便検査容器のラベル等のドクターの補助業務
(入院予定)⑧入院決定、⑨クリティカルパス(CF、ポリペク)入力
2、救急外来のオーダー業務(依頼があった場合)
3、施設入所等の健診のオーダー業務
4、内科ドクターの月例スケジュール管理(内視鏡等も含む)
★診察状況を見ながらドクターの電子カルテ入力に
ミスや洩れが無いかを
素早くチェックし、
看護師さんやドクターに再確認をして
足りないオーダーを入力する
(チェックポイント)
処方日数は間違っていないか?診察時の話の状況と処方内容は
合致しているか?
☆必ずドクターに確認の上行うこと
(例1:「次回は8週間後に来て下さい。」と
ドクターから説明があったのに、処方日数が28日になっている。
→処方日数を56日に変更。
(例2:「薬がまだ1週間分余っています。」と
患者様からの話があったが、
処方日数から1週間分引かれていない。
→正しい処方量に変更
(例3:保険上、処方過剰はないか?
湿布上限20袋、
バルトレックス5日間(ヘルペス病名)等など
分かる範囲でチェック。
①注射箋発行、注射のみの予約票出力
ドクター指示がある場合は、処方、注射ともオーダーする。
(主にdo指示)
②次回の検査、画像オーダーに間違いはないか?洩れはないか?
検査のみの場合の検査予約出力。
ドクター指示がある場合は検査、画像オーダーを入れる
(例1:次回の予約日と検査、画像日が違う場合
→正しい検査、画像日を入力する。
(例2:次回予約コメントと検査、画像が違っている
→正しい予約コメントに変更。
(例3:腹部エコー等、依頼文書が必要なものに洩れはないか。
→依頼文書作成をドクターに依頼する。
(例4:同意書が必要なものに洩れはないか?
造影検査、ポリペくなど。)
③指導管理料の取り忘れはないか?
また取りすぎのコストはないか?
(例:1 頻繁に取り忘れのあるもの
(特定疾患療養管理料、難病外来指導管理料、
在宅療養指導料、在宅自己注射指導管理料、
血糖値加算、他医撮影写真診断料、診療情報提供書、
診断書、悪性腫瘍管理料
~月1回もしくは2回などコストの取り洩れに十分注意する)
(例:2 1とは逆に上記指導管理料の取りすぎをチェック。
同時算定出来ないものを二重で取っていないか。
特定疾患+難病 ×、
在宅+特定疾患 ×、
退院後1ヶ月未満 特定疾患等 ×、等
*これは、3年前の診療報酬からの抜粋です。現在の診療報酬とは多少違ったところがあります。ご了承ください。
④紹介患者の返書、診療情報提供書の作成
紹介患者返書(紹介患者があった場合、必ず返書を作成する。
複雑なものはドクターからの指示を仰ぎ、作成、チェックして頂く。
入院の受け入れ、CF,GIF予定などの簡易な返信は自分で作成し、
ドクターにチェックをして頂く
紹介状(ドクターからの指示で診療情報提供書を作成)
A先生:文章を口頭で指示されるので、
その場で指示通りに入力する(word使用)
B先生:診療状況に関する、簡単なポイントを話して下さるので
メモに取り、文章を起こし、構築する。(excel 使用)
C先生:簡易な返書以外は、ご自分で作成される。
(excel主だが、余り拘られない)
⑤予約忘れは無いか。予約日に間違いはないか。
予約コメントと合致しているか。
他科同日予約の場合、時間的に無理はないか。
(患者様からの要望で予約日変更を依頼された時、
ポイントがいっぱいで強制権を行使して予約を取らざるをえない場合があるが、
前後の予約人数や予約日の患者状況、ドクターの予定等を鑑みて、強制入力する。
予約変更の場合、予約と同時に検査や画像のオーダー日も変更する。
⑥問診票の通りに入力、入力済みと記載し、各科担当看護師さんに渡す。
(内科全般)
⑦ 検便検査や喀痰検査などの容器用のラベルを発行、容器に貼る。
⑧入院決定(病棟、食事確認)
⑨CF、ポリペクのパス入力(日程等を確認してマニュアル通りに入力)
⑩ ドクター診療記録の誤字脱字チェック
(誤字脱字があっても、内容的に著しい誤解を生じる恐れが無い時は、
そのままにしておく。
誤字脱字の為に著しくカルテ内容が誤解される恐れがある時は、
ドクターに報告し、変更して頂く。
⑪看護師補助:クラークは電子カルテ上のドクター補助を
主業務としているが、看護師が多忙で席を外す時などは、
患者様の呼び込み、
電話対応、検査室、放射線科への
案内または簡単な患者介助をする。
そして、現在
上記は、前勤務病院での業務内容でしたが、今は診療所の一人の医師についているので、医師によって仕事内容が変わるなどの苦労は無くなりました。しかし、同じ医師とずっと一緒に仕事をさせていただくと、お互いの慣れというか、信頼が深まるというか、仕事内容が日に日に重く、負担が増えていくような感じです。一度引き受けてしまった業務は、その後断ることが出来にくくなり、ずるずると自然に自分で自分に業務を課していくような状況です。もちろん、無理な内容はお断りすればいいのですがね。
この記事を目に留めて頂いた医師事務作業補助者の方がいらっしゃいましたら、是非是非ご連絡ください。どんな業務をしていらっしゃるのか、どんな苦労をしていらっしゃるのか生の声が聴きたいです。