医療機関で薬の管理はどこまでするべきか

院長殿の方針


当院の院長は、薬の管理にとても厳格な方です。忙しい診療の合間をぬってでも、患者一人一人の薬の残薬を把握します。まず受付をした段階から(もちろん定期通院の方のみです)、受付でこう聞きます。
受付「残薬何日分残っていますか?」
患者「うーん、3日ぐらいかな。」
  「そんなのわからないよ。」
  「いつもきっちり飲んでいるので残薬はありません。」
  「そんなこと言う必要あるの?」
などなど、患者の反応は様々。
最初は、うるさがっていた患者様も毎回受付で確認されるものですから、最近は聞かれる前から、残薬の数のメモを持ってきてくれたり、残った薬を全部袋ごと持って来られる方もいます。

診察室では、残薬数のメモを基に診療を開始します。残った薬を持ってこられた場合は看護師が全て診察前に数えて、メモに記載し、診察時に院長に提示します。
院長はその残薬数を基に、次の予約日までの日数と薬の残薬を併せみて、その日の処方の数を決めるのです。



医師事務作業補助者の私の仕事


私は医師事務作業補助者ですので、院長と共にその残薬のメモを見ながら、本日の薬の数を素早く計算しなくてはいけません。
例えば、残薬3日分で、次の診察が28日後の場合
28日-3日で25日分処方すると思うでしょうが、院長は、実は薬をきっちり丁度で出したいのではなく、余りを作っておきたいので(もし予約日に来れなかった場合の患者のリスクを考えて)余りを5日作るとしたら・・・と考えて
28日(次回の診察日までの日数)+5日(念のための余り分)-3日(現在の残薬分)=30日分処方します。
まだこれが1剤だけならよいのですが、多い人は10以上の薬が出ている場合もあり、計算に泣きそうになります。更に大変なのは朝夕と2回薬を飲む場合、その薬の朝だけが余っているなどと、朝夕別々の日数が余っている場合です。そうなると薬の処方せんごと朝夕に分けて処方しなおすので、
ミカルディス40㎎ 2錠 朝夕食後の処方の場合で、残薬が朝のみ10日あるとしたら、朝のみ
28日(次回の診察日までの日数)+5日(念のための余り分)-10日(現在の残薬分)=23日分になります。よって処方せん上は、

  • ミカルディス40㎎ 1錠 朝食後 23日分

  • ミカルディス40㎎ 1錠 夕食後 30日分 


となるわけです。ちなみに夕食後の分は、実際は余りを5日作りたいとしたら

28日(次回の診察日までの日数)+5日(念のための余り分)=33日分としたいところですが、長期処方はできませんので、こういう場合は最大の30日分の処方となります。

長期処方についてはこちらにも書いています。ご覧下さい➡長期処方について 分割処方について



薬の管理をすることのメリット・デメリット


メリット

  • 薬のことに言及することが多くなったので、患者さんの服用に関する意識が変化した

  • 薬をきっちり服用することにより、薬の効き具合がよくわかるようになり、患者さんの状態がよくわかるようになった

  • 無駄な薬を出さないことにより、医療費削減につながっている

  • 毎日、全患者の簡単な薬の算数をすることにより私(医師事務作業補助者)の頭の回転が速くなった





デメリット


  • 受付で薬のことを聞いたり、看護師が薬を数えたり、診察室で計算したり、業務にとにかく時間がかかる

  • 残薬があることが悪いことのような印象を患者さんに与え、医療不信を持たれる患者様も出てきた

  • 患者さんによっては残薬管理までされることに不快感を持つ人も結構いる




まとめ


最初は私自身も本当にこの院長の方針が面倒で、毎回30日分だせばいいのに。と思っていましたが、医師にとって大きな仕事はやはり投薬。その投薬と病状の状況がわかるためにも、残薬管理は大切なのかもしれないと最近思うようになりました。しかし、医薬分業の時代。ここまで医療機関で薬を管理する必要が本当にあるのか?少し疑問も残ります。薬局の仕事を半分しているような感じですから。また、あまり残薬のことをうるさく言いすぎても、患者を信用していない風にとられかねません。難しいところです。

インフルエンザワクチン接種準備について

9月も秋分の日を迎える頃、最近めっきり涼しくなってきましたね。急な寒暖さのせいか、クリニックにも風邪で来院される方が増えてきました。私も稲のアレルギーがあるので(周りは田んぼだらけです)、稲穂が実り、稲刈りが終わるまでのシーズンは、鼻アレルギーやら喘息様症状やら。秋風は嬉しいもののちょっと辛い季節です。今年は小青竜湯を連日服用して乗り切ろうと思っています。


インフルエンザワクチン始まります


例年のようにインフルエンザワクチンの接種時期が近付いてきました。昨年度は10月の第二週からスタート。例年10月から12月までの約3か月間、通常業務とインフルエンザ業務との兼ね合いで忙しくなります。今月の院内スタッフミーティングでも今年のインフルエンザワクチン対策について話し合いをもちました。昨年度の反省も踏まえ、今年度は予約の段階から見直すことに。昨日、ようやく近隣の市町村の高齢者ワクチン接種補助額も決まり、いよいよ準備開始です。




準備すること



  • インフルエンザワクチン接種日を決める(当院では、インフルエンザワクチン特別外来を週2日午前のみ、通常外来とは別に、応援医師を依頼します。当院通院患者様は予約診察日に同時にインフルエンザ接種をします。)

  • 予約枠を設ける(インフルエンザを希望する方には、問診票を手渡すと同時に接種日を決めてもらいます。インフルエンザを希望した方には、予約を取って頂き、予約票を配布すると同時に院内でのインフルエンザワクチン本数を把握します。予約本数をみながら、インフルエンザワクチンの発注をします。今年は近隣のMRさんの情報では発注が間に合っていないとのことで、まとめて購入するのではなく、細目にワクチン本数を確保することになりそうです。)

  • 問診票、説明書を準備する(市町村からインフルエンザ問診票、説明書が届くのは毎年接種日直前です。届いたと同時に、全員で問診票、説明書、接種シールをセットします。)

  • 電子カルテの自費項目に今年のインフルエンザ費用を追加する(電子カルテに入力するための自費項目をセット項目にする作業です。)

  • インフルエンザ予約要領を決める(電話受付と来院受付の両方で対応します。予約時に氏名、生年月日、住所、電話番号を確認します。高齢者でも住所によっては、当院では無料にならない場合もあります。毎年数名、住所が遠方にもかかわらず、事情で近隣に住んでいる高齢者が来院し、ワクチンを接種した後、現住所と住民票住所が違うことに気付き、自費で頂く事例が発生しています。)

  • ワクチン接種時の対応の流れをスタッフ全員でシュミレーションする(受付➡問診票記載➡体温測定➡診察➡接種➡会計)診察とは別室で行われるバージョン、診察中に同時に打つバージョン、2パターンでシュミレーションします。

  • 接種後、市町村への請求事務方法の確認




前年度の失敗を活かす


昨年度の失敗例として、1回接種したにも関わらず、同じ人にインフルエンザを2回接種したことがありました。その方は、施設でも接種していたようですが、家族が気付かずに、診察中に接種を希望したことにより2回接種することになった結末。幸い、接種時期が離れていたので、インフルエンザワクチンを大人でも2回接種することもあるので、身体的影響はなかったのですが、インフルエンザ補助は1回しか受けられないので、その方には接種料金を自費で頂きなおしたことがあります。

その他、他府県の国保の保険証をお持ちの高齢患者様でしたので、(現在のお住まいは近隣でした)、無料ではなく自費で頂いてしまったこともあります。(あとで市役所に確認すると、保険証の保険者の場所ではなく、住民票を基準に補助を実施しているとのこと。あとで無料と分かり、返金致しました。)

どちらも確認をしっかり取れていれば防げたことですので、今年はそのようなことがないようにと、スタッフ全員で確認事項を増やしています。



まとめ


各医院、病院さんによってやり方は色々あると思いますが、その病院の都合にあったベストな方法見つけることが大切ですね。今年のインフルエンザワクチンは

A型株
  • A/シンガポール/GP1908/2015 (IVR-180) (H1N1)pdm09
  • A/香港/4801/2014 (X-263) (H3N2)

B型株
  • B/プーケット/3073/2013 (山形系統)
  • B/テキサス/2/2013 (ビクトリア系統)ワクチン だとか。



首都圏では既にインフルエンザ患者もチラホラ出てきた模様です。ワクチンを接種したからといって、インフルエンザにかからないわけではありませんが、感染した時に少しでも軽症ですむことが出来ます。家庭環境、個人の体質などを見極めて、ワクチン接種を決めて欲しいと思います。

医療用語わかりますか?

医療業界に勤めてから10年が経過しました。今でこそ、わかりきったように使っていますが、最初は医療用語に慣れなくて苦労したものです。でも今でも実はわかってないのに、わかったように使っている言葉って結構あります。以下は私が最初全く知らなかった用語一覧です。
この医療用語わかりますか?



亜急性期


病状がある程度安定した患者で、急性期の最終段階の病状期。病院によっては亜急性期病棟があり、診療報酬の算定の仕方も変わります。(最初私は、恐竜が住んでいたころの白亜紀とかジュラ紀とかの仲間だと思っていました(/ω\)

ADL

日常生活動作のことです。(Activities of Daily Living)具体的には食事や、移動、排泄など基本的な動作をいいます。(医師や看護師等の会話の中で「患者のADLは・・・」なんて日常的に使われています)

一般名処方

医師が薬を処方するときに薬の商品名ではなく、成分名で記載すること。(例:ガスターは商品名、ファモチジンが成分名)


医療機関コード

レセプトや診療報酬請求書に使用する医療機関のコード。都市区分番号2桁、医療機関番号4桁、検証番号1桁の7桁からなっています。(自分の病院の医療機関コード言えますか?)


医療費控除

本人、又は本人と生計を共にする親族の病気やけがに対して支払いを行った1年間(1月~12月)の医療費の合計が10万円を超える場合、確定申告によって税金の還付を受けることができるもの。(私も以前、子供の矯正歯科で50万の医療費を払った時に、この制度を利用しました。)


インアクティブカルテ

通院、退院終了後で相当日数を経過したカルテ。現在は来院していないため、保管庫等に保管されているもの。(最初の私の仕事が、医師からの依頼があるとインアクティブのカルテを古いカルテ庫から探してもってくることでした。走ってよく取りに行ったなあ~)


インシデント

日常の診療現場で患者に傷害を及ぼすには至らなかったものの医療事故に発展する可能性をもった出来事。「ヒヤリハット」➡ひやっとしたり、はっとしたりした出来事 も日常的に使われます。(インシデント、ヒヤリハットを起こすと、文書で院長に提出する必要があるのですが、これ書くと落ち込みます)


オーダリングシステム

医療従事者がそれぞれの部署で発生した注文データを直接入力する病院内情報システム。(オーダリングになる前は、紙伝票で各部署から医事課に回ってきました。それを入力するのが手間だったこと。今では随分楽になりました。)


介護保険

要介護状態の高齢者に対して、医療・福祉のサービスを提供する社会保険制度。(40歳以上になると給与から天引きされる保険料です。介護保険を初めて引かれた時は、なんだか年を取った気になったものです。)


過誤調整

国保や社保で一度審査されたレセプトが、保険者の再請求により減点されること。(ちなみに国保や社保で減点される場合は「当月査定」といいます。)


過誤返戻

国保や社保で一度審査されたレセプトが保険者から戻されること。上記の過誤調整と違うことは、減点されるのではなく、戻されるだけなので、再提出すれば認められます。氏名や生年月日の不一致、資格喪失後の受診などが返戻される場合が多いです。(ちなみに国保や社保で返戻される場合は「当月返戻」といいます。)


カルテ開示

カルテや検査記録など、患者やその家族からの求めに応じて開示すること。(カルテ開示用の用紙、病院に備え付けてありますか?)


看護必要度

入院患者が必要とする看護の量。入院患者の病態や治療状況などに左右されます。それを看護に要する時間によって測定し、必要度としてポイント化することです。


カンファレンス

患者の治療方法について関係者が集まって会議すること。


逆紹介

急性期の治療を終えた患者を地域の診療所などに紹介すること。紹介元の医療機関に患者を戻すことを言います。(紹介状でやりとりとします。地域医療室などで管理します。)


禁忌

治療で投与した場合に症状の増悪を来す薬物や医療行為。(カルテに禁忌項目は、誰にでもすぐ目につくように記載しておきます。)


ケアプラン

介護サービスの利用計画。ケアマネジャー(介護支援専門員)が介護保険利用者のニーズに応えてサービスの内容を計画したものです。ケアする(care)➡気に掛ける 介護・医療の現場でよく使われる用語です。


現物給付

医療の現物は、医療行為つまり、診察を受ける行為、診察・投薬・注射等のことです。


高額療養費

健康保険で自己負担額がある一定の限度額を超えた場合、超えた分が申請により支給される制度です。75歳以上では高額医療費と言います。


後発品

ジェネリック医薬品のこと。用法、用量、効能、効果などが同じ医薬品のことです。先発品の特許期間が終了後に承認されます。


コ・メディカル

医療関係者で医師以外の医療従事者の総称。看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、放射線技師などを指します。(ちなみに医療事務もコメディカルだと私は思っていますが、国家資格ではないのでもっと格下かも。)


混合診療

同一医療機関、同一患者、同一疾患治療において、保険診療と自由診療が混在すること。

査定

国保・社保が医療機関の診療報酬請求に対して、審査し、増減点すること。医療機関は査定内容に不満があれば再請求できます。

サマリー

入院患者の治療内容や経過を要約したもの。退院時に作成されるものを退院時サマリーといいます。

産業医

労働者の健康管理などを行うために選出された医師。

社会的入院

入院治療の必要性よりも家族に介護者がいないなど社会的な理由によって入院している状態。

縦覧点検

同一人物の複数のレセプトを突き合わせて、不適切な請求がないか調べる方法。3か月以上のレセプトを突き合わせて重複請求などがないか調べます。


診療実日数

実際に診察した日数。実際に医師による診察を行った日数で、検査のみ、点滴のみではカウントしません。


診療報酬明細書

レセプトのこと。(最初はこんな言葉もわかりませんでした。)


診療報酬請求書

レセプトをもとに診療報酬を請求する際に用いる書類。

成年後見制度

判断能力の不十分な成年者を保護するための制度。(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等です)

セカンドオピニオン

患者が治療方法を選択する上で、参考にするために現在かかっている医師とは別の医師に診察を受けて、治療について意見を聞く事。(診療情報提供書Ⅱ)

前期高齢者

一般に65歳以上75歳未満の高齢者。75歳以上を後期高齢者といいます。

専従

その業務だけに従事する業務形態のこと。他の業務との兼任は認められません。ちなみに専任は、他の業務との兼任も認められます。

総括

診療行為を診療報酬点数表に基づいて点数化し、まとめて総計すること。


増減点連絡書

国保・社保など審査支払機関が、レセプトの点検・審査を行った結果、診療報数の増減を医療機関へ通知する文書のこと。

対診

他の医師が診察に立ち会うこと。または診察の結果を鑑定すること。

地域包括支援センター

地域の高齢者に対して、生活向上、医療の向上などの支援を包括的に担う中核機関。介護保険の相談など利用できる。

中医協

中央社会保険医療協議会の略称。診療報酬のことは全てここで審議されます。

デイサービス

要支援・要介護者がデイサービスセンター等に通い、入浴、食事、介護、生活について相談訓練などを受ける居宅サービスのこと。

デイケア

要支援・要介護者がリハビリテーション施設に通い、リハビリテーションを受ける居宅サービスのこと。

低所得者Ⅰ・Ⅱ

保険診療上の負担限度額や食事療養費などの負担額を定めた区分のひとつ。低所得者Ⅱは、同一世帯の世帯主及び被保険者が住民税非課税の者。低所得者Ⅰは、低所得者Ⅱに該当し、さらにその世帯の所得が控除後に0円になる者。

出来高払い方式

診療報酬の支払い方式の一つ。医療サービスを個々に計算し、合算するやり方。


摘要欄

診療報酬明細書に処方した薬剤や診療行為など詳細にコメントを記載する欄。

転帰

病気の経過の推移。中止や転医、死亡、治癒など診療状況を記載するもの。

トリアージ

災害発生時など多数の傷病者が同時に発生した場合に限られた医療機能のなかで傷病者の重症度や緊急度に応じて治療優先順位を決めること。

任意継続

健康保険の被保険者が退職等で資格を失った時、希望によって、被保険者として継続することが出来る制度。期間は2年間。

寝たきり老人

傷病により、常時あるいは日常の大半を床についている状態で、生活介護を必要とする老人のこと。

ヒヤリハット

医療現場で自己に至らなかったものの「ひやり」とした事例や「はっ」とした事例を報告すること。

訪問看護ステーション

訪問サービスを提供する事業者。主治医の指示に基づき、看護師、保健師理学療法士等が訪問して看護ケアを行う。

未収金

患者に対して請求した医療費のうち、期日までに回収されていない費用。


療養費払い制度

被保険者が受診した医療機関で診療費の全額を一旦支払、後に保険者に申請して払い戻しを受ける制度。


暦月、暦週

暦月は、毎月1日から末日まで。暦週は、日曜日から土曜日まで。


レセプト病名

レセプトに記載された病名。本来の病名ではなく、保険請求上必要な病名。

まとめ


今では、普通に使っている用語ばかりですが、最初はわからない言葉ばかりで戸惑ったものです。わかっているつもりでもこうして見てみると、案外適当に憶えていて分かったふりをしているだけのものもあったりして。たまには、基本に帰ることって大切ですね。

09/20のツイートまとめ

queseraserapan

認知症の治療費はどれくらい? 経済的負担を少なくするには https://t.co/AYsmoKBowq @ZUU_ONLINEより 長寿の矛先は、若者の夢を奪うのか。医療の進歩は幸か不幸か。もし、自分が認知症になったら。考えさせられる。
09-20 00:21

抗認知症薬の病名について

アリセプト8㎎減点


先日、アリセプト8㎎の処方が減点されました。理由はアルツハイマー型認知症の病名に高度がなかったことによるもの。通常アリセプトは3㎎を2週間で開始し、5㎎、8㎎、10㎎と増量していくもので、当院では10㎎に上がった段階で、高度アルツハイマー型認知症の病名をつけていました。8㎎で高度がないことによる減点のようです。




薬剤の本を確認する


私の愛読する「今日の治療薬」南江堂を確認してみると、




適応:アルツハイマー型認知症
用量:1日1回3㎎から開始、1~2週間後に5㎎に増量、高度には5㎎で4週間以上経過後、10㎎に増量




とあります。なるほど、8㎎にするという状態については明記していませんが、5㎎を4週間以上経過後、それ以上に増えた場合は高度病名がいるということでしょうか。

実際、査定されてしまったので、次回から気を付けるしかありません。




抗認知症薬4剤の病名について


抗認知症薬にはアリセプトの他に、イクセロンパッチ、レミニール、メマリーなどが処方されます。4剤は症状や体質などによって、変更になることがあります。実際の患者さんの状態が高度認知症であっても、薬剤によっては、高度を削除しないとレセプトは通過できません。

例えば、アリセプト10㎎を服用されていた方が、薬の副作用で興奮状態が持続したり、食欲不振が増強し、イクセロンパッチに変更した場合、病名を高度アルツハイマー型認知症➡アルツハイマー型認知症に戻します。実際の患者様の状態は高度アルツハイマー型認知症のままであっても、レセプト病名として、高度を外すという訳です。



4剤を薬剤本で確認する












イクセロン、レミニールの場合は、軽・中等度

アリセプトは、軽度から高度

メマリーは、中等度・高度

の病名が適応のようですね。

4剤とも副作用も多いので、薬剤の変更は度々起こります。薬剤が変わる度に、病名は大丈夫かチェックする必要がありそうです。



レビー小体型認知症は、ドネペジル(後発薬)不可の原則


上記の表、アリセプトの②をご覧下さい。
レビー小体型認知症の場合、後発医薬品は未取得になっています。要するに、レビー小体型認知症の場合は、アリセプト(先発薬)のみが適応病名です。ついうっかり一般名で処方することのないよう、注意します。


まとめ


抗認知症薬は現在4剤のみ。認知症が世間に広く知れ渡って、治療を望む患者様が増えているので需要が増えています。今の段階では認知症をよくすることはできませんが、少しでも認知を遅らせたいという患者様が、次から次に今日も病院を訪れてきます。お蔭で業務時間が延びる一方。疲弊しているスタッフ一同です。

インスリンと管理料について

在宅自己注射指導管理料


今日、他院から紹介になった患者様。在宅自己注射を算定している方でした。在宅自己注射って薬の種類によって注入器加算が取れたり、針加算が取れたり、単位数によってインスリンの本数を計算したり、結構複雑ですよね。初めての患者様は尚更。色々管理料が複雑です。

医師事務作業補助者として、医療事務として在宅自己注射の患者様が来られた時、何を気をつけたらいいのか、ポイントを押さえてみました。以前のブログでは在宅自己注射指導管理用について詳しく書いています。こちらもご覧下さい。➡在宅自己注射指導管理料



ポイント1 病名


糖尿病の方で、在宅自己注射指導管理料を算定するとき、病名が1型糖尿病か2型糖尿病かが重要になってきます。

1型糖尿病とは、子供や若い人に多く、急激に発症し、症状の悪化も急速です。インスリンでの治療が必要になります。

2型糖尿病とは、中高年に多く、緩やかに発病し、進行もゆっくりです。運動食事療法を中心に改善なき場合は飲み薬やインスリンでの治療になります。

なぜ、1型か2型かが大切かというと、在宅自己注射指導管理料の血糖自己測定器加算を算定する時に、どちらかによってコストが変わってくるからです


血糖自己測定器加算(月1回)

1.月20回以上測定 400点

2.月40回以上測定 580点

3.月60回以上測定 860点

4.月80回以上測定1型糖尿病のみ) 1140点

5.月100回以上算定1型糖尿病のみ1320点

6.月120回以上算定1型糖尿病のみ1500点





注入器用注射針加算(処方した月1回)

1.1型糖尿病もしくは血友病の患者又はこれに準ずる疾患にある患者 200点

2.1以外の患者 130点



ポイント2 単位数


インスリンは、単位によって処方する本数が変わってきます。
例:「ノボリン30R注100フレックスペン 300単位」を1回4単位(1日2回)打つ場合、1か月(30日)で何単位必要になるでしょうか。
考え方:1回4単位ですが、1回空打ちをその都度1単位分足すとして考える(1回5単位)

    1日分は、(1回5単位×2回)で10単位。
    1か月(30日分)は(10単位×30日)で300単位
答え:1か月1本 針も同様に1日2本の計算最低限60本は必要になります。打ち損じ等を考えて、多めに処方していることと思います。


ポイント3 インスリンの種類




インスリンの種類によって様々な加算の可否が違ってきます。基本は下の表を参考にして下さい。










注入器加算、針加算を算定出来る時は忘れずに算定しましょう。院内処方、院外処方によってもちがう


こともあるので気を付けましょう。こちらを参考にどうぞ。➡在宅自己注射指導管理料


ポイント4 血糖自己測定器加算


血糖コントロールのために、自宅で血糖を測定してもらうことがあります。そのときの機械は病院からの貸与が基本。貸出後は、毎月の診察時に血糖自己測定器に使うチップや針は病院からの持ち出しです。その分を血糖自己測定器加算として患者様から頂くわけです。患者様が1日に何回血糖を測るのか、それによってコストが変わってきます。(ポイント1参照)
在宅自己注射指導管理料を算定するときに同時に血糖自己測定器加算が取れているか、チップや針を何箱、何本渡したのかカルテに記載します。



ポイント5 インスリンの変更


初回の指導を行った日から3か月まで導入初期加算580点が算定できますが、同様にインスリンの種類が変わった場合もさらに1か月を限度として1回に限り導入初期加算を算定できます。但し、過去1年以内に使用した一般名が同じ薬剤に変更したとしても算定できません。


まとめ


在宅自己注射指導管理料は色々と細かいルールがあります。点数改定の度に少しづつ変化するので、覚えにくい算定の一つです。私も最初、インスリンそのものも普段目にしないもので、どういう仕組みになっているのかわかりにくく、血糖自己測定器も一体何なのか、単位数が何なのか、全くわかりませんでした。薬剤部に行って実物を見せて頂き、インスリンの指導をされているところをのぞかせてもらったりして、ようやく理解できるようになりました。上のポイントの他にも他の在宅点数との併用不可(加算はOK)とか、難病との併算定OKとか、算定上のルールもまだまだあります。まずは、実物をみてイメージを膨らませてから算定の勉強をすることをお勧めします。







HbA1cを月2回、取りにいく!

診療報酬の原則


診療報酬には、「原則~」などという法則が多くあります。原則ってことは、「それを遵守しなきゃダメです。」ということですが、私はそういう時でもなんとか入り込む余地がないだろうか。と考えるタイプの人間です。
先日、検査の指示間違いで、偶然、HbA1cを月2回測定してしまったことがありました。検査の指示の通り、患者さんから採血し、結果を伝え、診察が終わり、会計の段階で気付いたのです。

さてどうしたものやら。先生に報告して、1回分を非算定にするのがいつものやり方なのですが、実はその日は私の中の闘争心がむくむくと湧き上がって、このまま2回取りにいこう!と先生に直談判に行きました。


HbA1cは月1回


実はこの検査。1回目は月初(6/2 金曜日)に行われ、2回目は4週後の月末(6/30 金曜日)に行われました。つまり、その週の金曜日は5回あった訳です。薬は28日分処方してますので、この患者様が月2回来ることは、当然の流れで、たまたま同月内であったというだけ。糖尿病のコントロールも不良の方でしたし、HbA1cの測定は診察上、当然必要なことです。これを原則に縛られて、1回を非算定にするのはおかしいのでは。と思った訳です。

しかし、このまま何もせずにレセプトを提出すると、減点されるのは目に見えています。症状詳記を添えてレセプト請求すればいいのではないかと考えたのです。



電子カルテに阻まれる


当院の使用している電子カルテは、例えば特定疾患療養管理料を月3回以上算定したりしないようにしたり、在宅指導料同士を同時算定しないようにしたりと様々な工夫が凝らしてあります。しかし、HbA1cに関しては電子カルテが自動に2回目以降を削除するプログラムは組んでなかったので、取りすぎた場合は手動で消して下さいと以前、電子カルテ業者から言われていました。なので今回は敢えて2回目を削除せずに、そのまま算定しました。

しかし、最近の電子カルテのアップデートで、どんなにこちらが2回以上算定しようとしても、電子カルテが勝手に1回は非算定にするプログラムに変わってしまっていたのです。どう頑張っても2回目は取れない。ということ。

(電子カルテ会社に連絡をして、非算定を解除してもらって、・・・作業には結構時間がかかりそうです)

大勢の方が待つ会計中に、電子カルテ会社に相談して、などという時間もなく、今回の私の野望はむなしく消えていきました。


まとめ


電子カルテのアップデートで以前出来なかったことが出来るようになったり、却って不便になったり。その都度アップデートのお知らせが来ていたのに、今回の件はチェック漏れでした。電子カルテは便利な反面、不便であるなと感じた出来事でした。「原則」に従うのは大切ですが、「原則」に沿えない時もあります。正しいと思った時は、原則を打ち破ってでも、算定を取りに行く!という姿勢だけは持ち続けたいと思います。

医師事務作業補助者としての努力

台風が日本列島を縦断しています。私は昨日は有給を頂いて久々の三連休です。というのも、午後からは、この連休を利用して、夫と一緒に東京に来ています。東京は学生時代から現在の住まいに転居するまでの20年間を過ごした大切な場所。久しぶりに懐かしい場所を訪ねたり、友人と会ったり、現在東京の大学に在籍している末娘の顔を見に行ったりと色々計画を立てているのですが・・・なぜにこの台風。「雨女」と「晴男」の夫婦円満旅行のはずが・・・完全に「雨女」の勝利となってしまいました。(´;ω;`)

ドクターの趣味を知る


医師事務作業補助者で大切な仕事の一つに、担当医師と親しくなる!という大原則があります。もちろん変な意味ではありませんよ。誤解なさらぬように。

医師とタックを組んで業務を進める身としては、仕事の基本、技術はもちろんのことですが、それよりもまず、担当医師と仲良くすることが必要です。仲良くといってもずかずかと医師のプライベートにまで踏み込むのではなく、そうさりげなく医師の心の琴線に触れることが必要になります。

こちらの記事も参考にどうぞ➡医師事務作業補助者の裏技


実は最近になって私の担当医師が、映画の「宇宙もの」が大好きなことを知りました。私もほとんど同じ世代ですので、確かにこの手の映画は大好きでした。ハリウッド映画でいうと「スターウォーズ」「スタートレック」「ET」、アニメでいうと「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「ガンダム」などなど。(世代がばれますね)この時代の子供たちは、一度はNASAや宇宙に憧れるもの。私も担当医師も同じ時代をたどっていたのです。

そこから話が盛り上がって、一歩お互い近づけたような感じがしました。




担当医師が一番こよなく愛している映画は「スターウォーズ」。「スターウォーズ」に関しては、私は中学校時代にみた「エピソード4/新たなる希望 1977年」や「エピソード5/帝国の逆襲 1980年」しか観ていなかったのですが、担当医師は全作観ているとのこと。今年公開される「エピソード8/最後のジェダイ 2017年」も当然観に行く予定だそうです。今回の作品は「エピソード6/ジェダイの帰還」の30年後を描いた作品だとか。話がマニアックすぎて途中からついていけませんでした。

それで、これはいけない!と思い、先週から家で「スターウォーズ」の復習を始めました。U-NEXTに登録をし、初期の作品から見直しはじめています。新作が公開されるまでになんとか見終わっておかなくては!と仕事のつもりで観はじめましたが、すっかり私もはまってしまい、毎晩寝るのが遅くなっています。




以前の男性医師の時は、山登りが好きな方で百名山を制覇された方でした。私は山登りまで始める気はありませんでしたが、日本の百名山を覚えたり、医師が登った山について調べたりしました。しかし、山登りという男らしい趣味がある反面、ロマンチックなところがあって、詩がお好きで、カール・ブッセの「山の彼方の空遠く 幸い住むと人のいう。ああ・・・」などとつぶやく時がありましたので、私も全文をしっかり暗唱したりしました。






女性の担当医師は、庭造りに興味がある方で、ターシャ・チューダーさんの庭がとても好きだと伺い、偶然私もターシャの生き方が好きだったこともあり、話があい、先生が本を貸して下さったこともあります。それ以来、先生の誕生日などのメッセージカードは、ターシャの絵葉書を使用しています。





まとめ


医師事務作業補助者は、医師のことをとにかく好きになることが一番大切です。どんなに嫌なタイプ、自分と合わないタイプでも必ず、趣味のあうところ、好感のもてるところはあるはずです。あとは、その担当医師を好きだと自分に思い込ませること!これは私の後輩たちにも最初に伝えていますが、「この人を好きだ」と脳に思い込ませることで、仕事の質はぐーんと上がります。是非みなさまもお試し下さい。


09/16のツイートまとめ

queseraserapan

海外旅行中に医療費破産しないために 4つのケースでお金が出る「海外旅行保険」とは(花輪陽子) - Y!ニュース https://t.co/dz5eYo8vod実は今、海外ではないけど、旅行中。国内旅行が1番安心だね。
09-16 01:31

訪問看護指示料 衛生材料加算とは

訪問看護指示料は、当院の医師が記載する最も多い書類の一つです。各訪問看護ステーションからの依頼を受け、月に1回、300点をレセプト請求します。

以前のブログでも訪問看護指示料について詳しく書いています。ご覧下さい。➡訪問看護指示料

訪問看護指示料 衛生材料加算(80点)







2016年度4月の改正で、訪問看護指示料に衛生材料加算(80点)が新設されました。






訪問看護指示書を交付した患者に必要かつ十分な量の衛生材料及び保険医療材料を支給した場合に80点を加算できるというもの。





では、衛生材料、保険医療材料とはどのようなものを指すのでしょうか。

衛生材料は、ガーゼやテープなど、保険医療材料は点滴用ルートなどが該当します。但し、看護師自らが使用するためのものについては該当しません。なお、点数として算定できる特定保険医療材料は含まれません。


ただし、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料、在宅がん医療総合診療料、在宅患者訪問点滴注射管理指導料、在宅療養指導管理料を算定した場合は、算定できません。


まとめ


今まではガーゼやテープなど無償で提供していたもの、または患者様が個人で購入していたものでしたが、衛生材料加算として正式に算定出来るようになりました。訪問看護ステーションからの訪問看護計画書や報告書を基に、必要だと医師が判断した時に、衛生材料を支給した場合に算定します。

なお、訪問看護指示料の加算なので、訪問看護指示料を算定しない月は算定できません。

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