医師事務作業補助者の配置について
私の仕事場公開(ケース1)
私の現在の診察室での机の位置はこんな感じです。医師と隣同士に机が並んでいて、パソコンはそれぞれ一台づつ使用しています。この二台のパソコンは、実は一つのパソコンでして、常に同じ動きをするようになっています。つまり、医師が使用している時は、私は使用できません。他の画面を見たいなと思ってもみることができません。時には二人で打ち込みたい内容があるときは、取り合いのようになることもあります。
医師が患者様の診察をしている時にのみ私は自由にパソコンを打ち込むことが出来るというわけです。
私は正直この方式をいいやり方であるとは思っていません。私は常に医師の手元を気にしながら、医師がパソコンを打ち込み始めるとすぐに手を離さなくてはなりません。医師がパソコンから手を放している間だけが私の時間。私はすばやく今日の診察内容から過去の診察内容をチェックし、本日すべき検査や薬を予想し、入力を開始するのです。
診察終わりに医師は私のカルテ入力情報をチェック、訂正し、一人の診察が終了します。
メリット:二人で同じ画面をみているので、医師の第二確認がすばやく行われる
デメリット:医師がパソコンから手を放している間しか、パソコンをさわれないので、打ち込みたい内容がすべて入力できずに、診察が終了することになる。結局、業務終了後に入力できなかった補正分を、入力しなくてはならない。
ケース2
こちらは以前、私が他の医師の医師事務作業補助をしていた時の様子。私には専用のパソコンが用意されていましたが、医師と私のパソコンはつながっていません。なので私のパソコンでは医師の打ち込んでいる診察状況がわからないので、おまけにパソコンの入力権利は一人にしか与えられてないので、医師がその患者の画面を開いて入力している間は、私のパソコンでその患者様のリアルな診察状況を入力することが出来ません。なので医師が入力する前に、患者様の身体状況をあらかじめ入力したり、診察後にひとり前の患者様の紹介状の下書きを入力したり、予約をいれたり。二段階方式で診察状況を打ち込んでいく方式でした。
メリット:パソコンを私一人で自由に使えるので、今現在診察している患者様の入力をオンタイムに入力はできないが、その前後の時間を使って患者様の情報を入力することが出来る。
デメリット:私の入力内容に関しては、もう一度医師に確認をとってもらう必要があり、時間がかかる。
ケース3
こちらは、医師が全くパソコンを入力できない場合で、医師は、パソコンの画面をみているが、指示はすべて口頭で行われ、それを医師事務作業補助者が打ち込むというやり方。この医師はパソコン入力が遅くて苦手だったため、この方式がとられました。
メリット:すぐ隣にいるので医師の指示通りすばやく、オンタイムに入力をすることが出来る。
デメリット:体を斜めにして入力をする必要があり、疲れる。医師の手足のように動くのを望まれているので、思った通りに入力できないと医師がいらいらする傾向がある。
理想の配置
私は、理想の配置はこの形であると思っています。医師と医師事務作業補助者のパソコンは同じ動きをし、同時に二人で打ち込むことが可能なこと。リモートで医師のパソコンを操作しているような感じです。そして、少し斜め後ろに机をおくことで、診察室全体の動きを見回すことができると思われます。
まとめ
医師事務作業補助者の配置は診察時間の短縮、診療報酬の請求もれの減少に大いに係わってくる重要な課題です。外来診察時に医師と患者のやり取りをすべて聞いている医師事務作業補助者は、患者の病態をすべて把握できる重要なポジションです。後に診断書や紹介状を作成するときにも、カルテを検索することなく把握し、作成することができます。業務のよりよい効率化を図るためにもその病院、医師にあった医師事務作業補助者の配置は意外にも大切なポイントなのです。