病院側からみた特定健診とは

みなさんの病院では特定健診は行っていますか?


当院は対象医療機関となっているため、診療の合間に特定健診の方も多数いらっしゃいます。特別に特定健診のための時間をとっていないため、普通の診療の方の合間に検査診察を行います。


以前勤めていた市民病院では、特別に特定健診の枠を設け、1日5人、時間曜日を決めて受診して頂いておりました。


病院によっていろいろなやり方をされていると思いますが、率直に病院側からみた特定健診について考察したいと思います。



そもそも特定健診って?


2007年度まで行われていた老人保健法の老人健康診査は廃止され、老人健康診査に代わるものとして高齢者医療確保法による特定健診・特定保健指導が2008年4月から開始されました。各保険者が特定健診や特定保健指導を行い、そのデータ管理が義務付けられました。それまでの健康診査の考え方が大きく変更され、名称も特定健診、特定保健指導となりました。老人健康診査は40歳以上の住民を対象としていたが、特定健診は40歳から74歳までの住民が対象であり、健診を受けた時の一部負担を求めるかどうかも保険者の任意とされています。ただし、40歳から74歳の者であっても、労働安全衛生法の職場健診を受けているなど他の健診を受けられる者は除外されるので、対象となるのは社保の被扶養者(家族)と国保の加入者です。



特定健診とは?


特定健診はメタボリックシンドロームを拾い出し、それと診断された者への指導をして自己管理を徹底させることが目的です。糖尿病等の有病者・予備軍を大幅に減らすこと、ひいては医療費を減少させることを目指しています。


従来の健康診査の項目との比較は、空腹時血糖またはヘモグロビンA1cはいずれかを選択することとなり、総コレステロールに代わってLDLコレステロールと腹囲測定が導入されました。



特定保健指導とは?


特定健診の結果、指導が必要と保険者が判定した者について問診票、生活習慣上の課題から保健指導について情報提供、動機づけ支援、積極的支援のレベルに区分して情報提供や指導を行います。ただし現に医療を受けている者は指導対象から除外されます。情報提供は健診受診者全員に、動機づけ支援はリスクの出始めた者に1回、積極的支援は3~6か月に1度の指導が行われます。



特定健診基本項目


身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)


理学的検査(身体診察)


血圧測定




血液検査
脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
血糖検査(空腹時血糖又はHbA1c)
肝機能検査(GOT、GPT、γーGTP)


検尿(尿糖、尿蛋白)



特定健診詳細項目


医師が必要と認める者については、詳細な健診を実施することもあります


心電図検査
前年の健診結果等において、
1. 血圧、2. 脂質、3. 血糖、4. 肥満の全ての項目について、
以下の基準に該当した者
眼底検査
前年の健診結果等において、
1. 血圧、2. 脂質、3. 血糖、4. 肥満の全ての項目について、
以下の基準に該当した者
貧血検査
貧血の既往歴を有する者又は視診等で貧血が疑われる者
【判定基準】
 1. 血糖
a) 空腹時血糖100mg/dl以上又は
b) HbA1cの場合5.2%以上
 2. 脂質
a) 中性脂肪150mg/dl以上又は
b) HDLコレステロール40mg/dl未満
3. 血圧
a) 収縮期130mmHg以上又は
b) 拡張期85mmHg以上
4. 肥満
a) 腹囲M≧85cm、F≧90cm又は
b) BMI≧25

特定健診の当院での要領について


1.受診券、保険証の確認
2.問診票の記入
3.医師の診察
4.検査、身体測定 この日はこれで一旦終了。
後日、医師の検査結果記載が終了してから
5.受診者に連絡
6.来院してもらい、結果を手渡す
7.月末に国保、社保に健診料を請求する

特定健診を医療保険で実施するとしたらいくらになるか?


尿検査  26点、血液検査、169点、心電図検査130点。その他、判断料、血液採取料を足すと、619点。

1割なら、620円、3割なら、1860円です。当市では今年度から国保の方は全員無料なので、お得感はありますね。

まとめ


今年度に入ってから国保の方が全員無料になったこともあり、特定健診受診者は増えました。しかし、受診される方は、顔馴染みのいつもの患者様が大半です。いつもの検査を保険でする代わりに、特定健診を利用している形です。そうなると、カルテは保険と健診と二枚に分けたり、それぞれ、請求事務も発生するので、正直大変です。 
もともと、未受診者を探して、医療費削減につなげる目的が現場では違ってるように思います。
医療費削減のために、特定健診をする。
特定健診で異常がみつかり、薬をのむ。
薬を飲むと、長生きする。
長生きすると、医療費がかさむ。
これって、本当に医療費削減につながるのかな?とふと疑問に思います。
医療の発達した、老人だらけのこの国のユートピアは一体どこにあるのでしょうね。

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