特定疾患療養管理料 他院退院後
診療点数早見表って、医療事務には必要不可欠ですよね。でもどうして難しく書いてあるんでしょう。ここではもっと簡単にわかりやすく解説します。
先日、最近の査定原因、傾向を探るため、過誤調整連絡票をチェックしていました。3年前の過誤調整と比べて、医療事務の質が上がったのか、ぐっと数が減ってきたなあ~と自負していたところ、気付いたことがありました。
2年前までの診療報酬
2年前までは「特定疾患療養管理料」の減点が多かったのです。大半が、「退院後1か月以内の算定は不可」との理由で減点を余儀なくされていたのです。
診療所では、患者様がどこかで入院していたとしても、診療情報提供書が送られてこない限り、入院していた事実を把握することは出来ません。退院証明書を患者様自らが見せてくれることは稀なことですし、夜中に救急受診しただけの方は、日をまたいで病院に滞在したことを外来の受診と勘違いしていて、入院扱いになっているとは知らなかったり、大腸内視鏡検査、白内障手術などは、軽い1泊程度の入院なので、入院と認識すらしていなかったり。
高齢者が多いだけに患者様からの聞き取りだけでは十分対応できず、うっかり特定疾患療養管理料を算定していたのです。当時はこの減点を減らすために、窓口で「最近、どこかで入院していませんでしたか?」と必ず尋ねることにしていたのですが、一向にこの減点が減ることはありませんでした。
でもよく考えてみると、この算定、最初からおかしなことでしたよね。他院で入院される事実を、どうやって診療所レベルで把握できるというのでしょうか。絶対に診療情報提供書が送られてくる訳でもありませんし、それを知らずに算定したとしても致し方ないことでしょう。審査する側からすればすべて突合点検すればわかることかもしれませんが、される側からすればたまったものではありません。どう考えてもおかしな減点だったのです。
2016年4月の診療報酬改定

2016年4月の改定から当該保険医療機関から退院した日からの一言が付け加えられました。
それによって、自院の退院直後の場合は気を付ける必要がありますが、それ以外の場合は気にしなくてもよくなりました。
現在の「特定疾患療養管理料」算定のポイント
- 対象疾患を主病として管理していること
- 初診・退院から1か月を経過していること
(1か月経過とは、算定回数が「週」単位、または「月」単位の場合、特に定めのない場合は「日曜~土曜」または「初日から末日」を算定単位としますが、特定疾患療養管理料は「初診の日から1月」のため、具体的には4月7日が初診の場合、1か月後は5月6日から算定可能となります。)
- 月3回目からは算定できない
- 同一月に併せて算定できない医学管理等の項目がある
(ウイルス疾患指導料・小児特定疾患カウンセリング料・小児科療養指導料・てんかん指導料・難病外来指導管理料・皮膚科特定疾患指導管理料・慢性疼痛疾患管理料・小児悪性腫瘍患者指導管理料・耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料・在宅療養指導管理料(第2節C100~C116)・心身医学療法)
まとめ
平成30年度の診療報酬改定が刻一刻と近づいています。今回は介護医療と共にの大きな改正ですので、また大きく変わってくることでしょう。医師の過重労働が問題になっている今日この頃。少しでも医療の現場の人間だからわかるこのような算定の不可思議を伝えられる場があるといいなと感じています。
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