MRさんって
病院には様々な製薬会社の方が、やってきます。なんとか新しい薬を使ってもらえないかと、医師の元を足しげく訪れます。いわゆる医薬品の営業マン。
正確にはMR(Medical representative)。医薬品の適正使用のために医療従事者を訪問することなどにより、医薬品の品質・有効性・安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主な業務として行うもののことを言います。
病院に勤めていた頃は、医局の周りを束になってウロウロしているスーツ姿の団体を、一体何をする人ぞ?と不思議に思っていました。医師が現れると、ペコペコ頭を下げてついて回る姿に営業の大変さを垣間見たものです。
診療所勤めに替わってからは、MRさんと身近に言葉を交わす機会が増えてきました。今日は医師とMRさんの関係について話します。
面談の約束
当院では、MRさんが、医師と話しをするための時間帯が設けてあります。
具体的には月曜日 金曜日の午前と午後の診察の間。1日に3社のみ(1社10分程度)
その予約枠の管理も、医療事務員の仕事です。病院でいうと、医療秘書の仕事をも事務スタッフが兼ねている感じですかね。予約枠のスケジュール管理、MRさんとの接待もすべて事務スタッフの仕事のひとつ。午前の診察が終わっても、MRさんの来られる日は、輪番制で接待にあたります。
この少ない枠を巡って、様々な製薬会社の方が来られるので、予約は3か月先までいっぱいになっています。
MRと医師の会話
面談当日、予約枠をゲットできたMRさんは、その短い10分の時間でなんとか自社製品の売り込みを図ろうと、あの手この手を使って営業を行っています。
医師の好みを調べあげている方。
自分のことをネタに医師の気分を盛り立てる方。
パンフレット、サンプルを手土産に手渡す方。
タブレット端末片手に説明する方。
医師との会話が弾めば、新薬を導入してもらえるので、彼らも必死なのが伝わってきます。
MRの商品説明会
めでたく、面談時に医師との会話がうまく成立すると、次の段階に進むことが出来ます。それが商品説明会。これは一か月に1枠のみ。木曜日の診察終了後に医師・スタッフ全員の前で、詳細な商品説明会を挙行できるのです。
商品説明会の枠をゲット出来たMRさんは、いつもより大人数で来院し、プロジェクターを携え、医薬品のサンプル、パンフレットを用いて商品説明会を行います。
パンフレットの中には、必ず、ボールペンやメモ用紙など、事務スタッフにとって嬉しいお土産もついているので、仕事でのボールペンには事欠きません。
更に嬉しいことには、商品説明時に、スタッフ全員にお弁当とお茶を用意して下さいます。お弁当に関しては、「どこぞの料亭で予約したの?」っていうほどの豪華なお弁当(多分3000円以上はするかな)が用意されるので、別名お弁当会と呼ばれています。当然、その日はおなか一杯になるのがわかっているので、朝ごはんを抜いて出勤するぐらいです。初めてこの恩恵に預かった時は、お弁当の豪華さに「なんて、診療所のスタッフは幸せなの!病院をやめて良かった!」と感動しました。
MRさんにしてみれば、スタッフの胃袋をがちっと掴んで、医師とのパイプを強めておきたいとの意向でしょう。まあもちろん経費でしょうしね。
新薬の導入後
めでたく、面談➡商品説明会を経て、医師に認められると新薬を導入することが出来るようになります。やっと会社と顔と名前が一致する頃には、次の担当者に替わっていくのが常です。印象として、1年で担当が替わっているのでは?という感じです。医師との癒着が強くなる前に、担当替えがあるのでしょうかね。
何しろ、営業職は本当に大変そうです。暑い日も寒い日もじっと医師の機嫌を伺い、ライバル会社の動向を伺いと。私の息子も他業界の営業職をしているので、若い新人MRさんが来られた時は、息子と姿がダブり、つい「がんばれ!」と応援したくなります。
まとめ
そんなこんなで我が家にもMRさんから頂いたボールペンが沢山あります。どれもこれも、社名や商品名が入っているのですが、書きやすいものが多いので実に助かっています。新薬の情報もいち早く耳に入りますし、おまけに普段食べたことのない豪華お弁当が頂けるので、MRさんには感謝感謝。
今日も暑い中、頑張って下さいね。
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