ここ連日の猛暑のせいか、お盆前の駆け込み受診のせいか、毎日大勢の患者様が診察を受けに来られます。多くは定期的な診療ですが、最近特に多いのが脱水症・熱中症の患者様。外で作業や仕事をする人だけでなく、涼しいはずの家の中にいる年配者でも、脱水症になっている方が多く見受けられます。
「最近しんどいですわ。」
「食欲がなくて・・・。」
という訴えの患者様が来られると、まず血液検査を施行。
検査の結果、大抵の患者様が脱水になっていらっしゃいます。
そうなると、連日の点滴指示。食事の摂れない方にはエンシュアなどの栄養剤が処方されます。
急性期病名
問題:上記のような患者様につけられる病名はさて何でしょう。
生理食塩水などの補液での点滴の場合は➡脱水症
嘔気・嘔吐も伴う場合は➡嘔吐症
栄養剤が処方されれば➡栄養障害
補中益気湯・清暑益気湯などの漢方が処方されれば➡食欲不振など
腎機能・肝機能検査が行われれば➡腎機能異常疑い・肝障害疑いなど
発熱もあり、風邪症状も伴う場合の胸部レントゲン検査は➡肺炎疑い
同じく尿検査もした場合は➡膀胱炎疑い
このような病名を急性期病名と言います。発症はするものの、すぐに治る可能性のある病気のことです。
病名の転帰について
急性期病名は、治癒や中止をした場合、素早く転帰をする必要があります。
最低でも3か月以内には中止・治癒しないと、病名整理をするようにと、国保や社保から指導を受ける場合もあります。出来るだけ、急性期病名・疑い病名はその都度整理をしましょう。
点眼薬(抗生剤)には注意
咽頭炎・膀胱炎・脱水症などに伴う処方は、急性期病名であることが分かりやすいので整理するのは比較的簡単です。
しかし、クラビット点眼液・タリビット点眼液など抗生剤入りの点眼液が処方された場合、整理をするのを忘れがちです。先日もクラビット点眼液が3か月以上続けて処方されていた患者様のレセプトが、減点されて戻ってきました。眼瞼炎の病名が3か月以上も続くのはおかしいという理由でした。それからは、処方される度に、中止をし、新たに処方が継続されたとしたら、医師に新しく病名を付け直して頂くようにしています。
抗生剤(クラリスロマイシン)等の長期処方について
患者様によっては、長期にわたって抗生剤が投与される場合もあります。肺の疾患などがある患者様で、少量の抗生剤長期投与によって、状態が安定する場合もあるからです。
しかし、そのままレセプト請求をすると、あまりにも抗生剤を長期に使いすぎていておかしいという理由で、減点される場合もあります。
やはりこれも以前減点して戻ってきたので、医師の診断・治療方針を症状詳記に記入して頂き、再審査請求をしました。その後は、一旦減点されるのも面倒なので抗生剤長期投与の患者様には、最初からレセプトに詳記をつけて提出しています。
まとめ
今週は脱水症の患者様の連続で、スタッフ一同疲れ切ってしまいました。来週に向けて暑さはますますピークを迎え、今日は福岡県糸島市では38.9℃を記録したとか。インフルエンザ並みの高熱ですよね。夜になってもあまり気温が下がらず、30℃以上が続くようです。昼間だけでなく夜間の熱中症のリスクも高いようなので、室内温度の調整・水分補給をしっかり行いましょう。我が家の犬猫たちも涼しいところをみつけて寝転んでおります。
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