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看取りについて

往診について





最近、病院ではなく、家で家族を看取りたい人が増えています。慣れた我が家で最期を迎えたい、迎えさせたいと思うのは当然のことでしょう。当院でも割と気軽に「先生、動けなくなったら、往診頼みたいんだけど。」と言われる方がいらっしゃいます。そんな時、当院の院長は、簡単に「はい。」とは決して言いません。




①自分が外来診療を主としといるので、患者さんの呼ばれた時間に、すぐにハイハイとは行けないこと。




②万が一、家で死亡したとしても、すぐに行けない場合が考えられるので、それまで、死亡確認を待っていられるのか?ということ。




③これらのことを主たる介護者だけでなく、家族全員の意見であること。



これらを納得して頂ける方のみ、訪問診療の予定を組ませてもらっています。
あくまでも往診ではなく、訪問診療として、です。
たとえ寝たきり状態であっても、家族が連れてこられる間は、外来受診を基本としてます。また患者様はすぐに往診と言いますが、基本的には訪問診療のみ(決まった時間に訪問に行くこと)引き受けています。


本当に家で看取れるのか



訪問診療を始めた患者様もいつかは最期を迎える日がやってきます。家で看取るというのは、大変な覚悟がいります。段々と弱って苦しんで死んでいく家族を黙って見守るなど、普通は出来ません。慌てふためき、救急車を呼ぶのが目に見えています。なんとかして楽にしてやりたい。そう思うのは当然だからです。
だからこそ当院の院長は気軽に往診して看取るという方式を簡単に認めないのです。
家族で、長くしっかり話をし、看取る覚悟をしてもらい、介護と医療両方の十分な協力が得られるようにしてから、初めて、訪問診療の同意書を交わします。時として、主たる介護者ではない親戚などか、看取る直前に「なんで先生はすぐに来てくれないんだ。」と言うことが予想されるからです。何度もいいますが、当院の院長は、通常の外来業務を主としているので、外来の時間帯には当然抜けて、往診をするなど出来ないからです。



母の最期





私の母は25年前に病院で亡くなりました。癌でしたので、最期の痛みは相当なもので、みている家族が非常に辛かったのを覚えています。何度も殺してくれと訴える母に、死ぬのも大変なんだと、身を固くしました。今なら、癌患者でも体制が整えば、家で看取れる時代になってきています。しかし、死の淵の壮絶さは今も昔も変わらないでしょう。どうやって家族の死と向き合うか、どの家庭にも起こりうる大切なテーマです。



訪問診療を始めるに当たって


まず条件を確認します。

①16㎞圏内であること

②寝たきり状態で通院困難であること

③医師の配置が義務付けられていない施設の入所者や自宅で療養している患者であること

④同意書を交わすこと⇩



これらの条件をクリアして訪問診療が始まります。詳しいことは、このブログのカテゴリー(在宅医療)に載せていますのでご覧下さい。




まとめ


実はこの長いお盆休みの間にも気がかりな患者様がいらっしゃいます。状態が悪く、訪問点滴・特別訪問指示書などを使って出来るだけ、フォロー出来る体制を組んでいます。私たち事務員はお盆休みはただの楽しい夏休みですが、院長にとっては、何かあったらすぐに駆け付けることが出来るように気の抜けない夏休みになることでしょう。医師とは、人の命を扱う荘厳な仕事であることを改めて感じます。人の生き死にを左右するのですから。大げさではありますが、医師とは、神様から選ばれた人間なのだと思います。私たち事務員もその片棒としてお手伝いできることに感謝しつつ、しっかり夏休みは取りますね。
次は、訪問診療の末、お亡くなりになられた患者様の算定について書きたいと思います。


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