医師事務作業補助者という仕事 その2

就業形態について

医師事務作業補助者には身分に関するルールがあります。
①4日かつ32時間以上の勤務をする「常勤職員」であること。これに満たない職員は常勤換算して人数を求めることになります。
②常勤とは「正社員」「非正規雇用の職員」、または派遣会社から派遣される「派遣社員」のこと。請負委託に基づく「委託社員」は不可。

上記の条件があるため、私は当時派遣会社からの委託社員であったのですが、医師事務作業補助者になるに当たって、派遣会社を退職となり、直接病院の「非正規雇用の職員」になりました。
*非正規雇用の職員とはいわゆるアルバイトのことです。
(派遣会社時の給料)


(非正規雇用の職員になってからの給料)

上記を見比べてくれればわかると思いますが、就業時間はほぼ同じであるはずなのに、医事課委託社員の時より、数万安くなってしまいました。その理由は、医事課時代はレセプトの前後の時間外勤務や休日出勤などの業務がありましたが、医師事務作業補助者になってから一切、残業がなくなったのが大きな要因でしょうか。どちらにしても医療事務って安いですよね~(;д;)

ちなみに今は、病院時代にお世話になったドクターに医師事務作業補助の腕を買われ、転職をし、当時の2倍の給料を頂いております。そう考えると医師事務作業補助者になった当初、最初の研修で自腹で約8万円もかかるし、実際の給料はダウンするしと、嘆いてばかりの時もありましたが、その時耐えてコツコツと努力して良かったなと心から思います。

業務内容について


医師事務作業補助者の仕事は、大きく分けると以下の3つです。
①医療文書の作成
②診療記録の代行入力
③医療の質の向上に資する事務作業
(ここからが重要!)診療点数早見表より抜粋
医師事務作業補助者は、医師の指示の下に、診断書などの文書作成補助、診療記録への代行入力、医療の質の向上に資する事務作業並びに行政上の業務への対応に限定する。なお医師以外の職種の指示の下に行う業務、診療報酬の請求事務、窓口・受付業務、医療機関の経営・運営のためのデータ収集業務、看護業務の補助並びに物品運搬業務等については医師事務作業補助者の業務としない。
要するに、医事課で行っていたような業務(窓口・受付業務・レセプト)には携われないということです。しかし、原則これらの業務は行いませんが、例外として、例えば受付担当者が電話中や患者対応中で手が離せない時には、場合により患者対応をしたり、診察室に呼び入れたりする場合です。緊急時や、患者に対応を求められた場合「私の業務ではないので行いません」というようなことは通用しません。そのような行いは利己主義やコミュニケーション不足ともとられかねません。
ではなぜそれらの業務が禁止されているかというと、本来の業務がおろそかになるからです。医師事務作業補助加算は病院勤務医の負担軽減及び処遇の改善を図る目的で創設されたもの故、医師から直接指示を受けた業務を最優先に行い、医師が診療に専念し、医師自身が疲労感から解放され、助かっていると実感できなくてはなりません。常に医師の伴走を務めるのが職務です。

まとめ

病院組織における医師事務作業補助者の立ち位置・特徴

医師事務作業補助者は、医師の指示のもとで仕事をします。よって医師がいわゆる上司になります。医師の行動を読み、スムーズな診療のために、自分がどう動けばよいのかを常に頭に入れて行動する必要があります。医師事務作業補助者として最も重要なのは、コミュニケーション力。これは医師事務作業補助者の業務がかなり多くの職種と接点をもつものだからです。例えば医師が救急搬送をしてきた患者様に処置を施している間、電子カルテを代行入力の傍ら、医師の指示で検査技師に連絡をいれ、検査のオーダーを入れたり、入院になった場合など、病棟の看護師や放射線部門、医事課など連絡確認することは当然に発生します。ですので、これらの職種と円滑に業務を進めていくには普段からのコミュニケーション力が極めて重要になります。

また、病院組織は縦割り社会ですので、その隙間をつなぐという役目も医師事務作業補助者にはあります。従来、このような立ち位置の職種は病院内にはありませんでしたので、これが最大の特徴かもしれません。


今後の課題

①人材育成について

医師の代行業務、医師事務作業補助者に求められる資質は、学習意欲とコミュニケーション力。その一言につきます。挨拶、言葉遣い、人としての道徳心。それらが自然に身についていることが当然と言えば当然ですが、絶対必須条件です。医師をリーダーとすると、それをバックアップする縁の下の力持ち。空気のようであり、且つ無くてはならない存在。舞台で言えば黒子のような、政府で言えば官房長官のような。そして、自分が主役ではないが、そのことに喜びを見いだせる人。それが理想です。業務の範囲を自分の学習により広げていき、医師や看護師など医療専門職の負担軽減・効率化を図れることが重要ですね。

医師事務作業補助者の勤務環境の整備、教育体制の構築を目的として、2011年に日本医師事務作業補助研究会(NPO法人)が設立されています。


②守秘義務について

医師事務作業補助者はいつも診療記録にかかわることが出来る立場にいます。医師と近い位置にいるため、患者様との距離も近く、他の医療事務員以上に、情報に溢れた職場です。守秘義務に関してはもちろん研修でも十分学習するものですが、自らを医療従事者としての自覚を強く持って、職業倫理を守らなければなりません。秘密の漏えいにより病院が多大な損害賠償を命ぜられることもあるのです。


③環境整備

(人間関係)医師事務作業補助者は医師との信頼関係が基本です。医師はいわゆる若い時から勉強のよく出来た、知識に溢れた人ばかりです。その懐に飛び込み信頼を得るには、ある程度医師と機微に富んだ会話が出来なくてはなりません。医療に関する基本的知識が少ないことを言い訳にせず、医療の領域も学んでいける環境を整えて欲しいと思います。

(電子カルテ)電子カルテの代行入力の場合、医師と医師事務作業補助者がそれぞれ専用端末を使用し、1つの患者カルテを操作でき、リアルタイムに入力できることがシステムを確立することが必要です。

私が以前従事した病院では、医師と医師事務作業補助者がそれぞれ専用端末を使用していたものの、同時に1つの患者カルテを操作できず、医師がカルテを閉じてから、あとから時間差で入力をするというものでした。

現在の病院では、同じく医師と医師事務作業補助者がそれぞれ専用端末を使用し、両者ともリアルタイムで入力が出来るものの、結局は1つのパソコンを2つのマウスで動かしているのに過ぎず、(両者のカーソルは同時に動くので、1つのパソコンを二人で奪い合う感じでしょうか)結局は医師が入力をしている間は、こちらは使用することが出来ません。

それぞれの診療体制に即した複数の端末を準備する環境が必要でしょう。



今日は休診日だったため、のんびり愛犬「なっちゃん」とランニングも兼ねて、近所の公園に長めの散歩に行きました。桜の花ももうすぐ。桜の花咲く前のつぼみの赤は、命の輝きに満ちて、満開の花にはない強さを持っているよう。来週のお花見が楽しみです。




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