久しぶりの裏技シリーズです。
最近、こんなことが起きました。完璧だと思っていた管理料の取漏れが発覚!毎月、漏れなく算定するために、あらゆる工夫をしていたつもりだったのですが、起こるべくして起きてしまいました。幸い、レセプトチェック時に気がついて請求までには間に合いましたが、患者様に追加分をあとから請求することになってしまいました。反省をこめて漏れなきための裏技です。
事例 在宅酸素療法指導管理料
在宅酸素療法指導管理料(2400点)+酸素ボンベ加算(880点)+酸素濃縮装置加算(4000点)+呼吸同調式デマンドバルブ加算(300点)+在宅酸素療法材料加算(100点)
毎月、上記管理料を算定している患者様です。春から夏にかけて、入院されていたので、しばらく来院はなく、当然在宅酸素療法指導も行っていなかったので、算定はありませんでした。8月に他院を退院され、当院に戻ってこられ、久しぶりに在宅酸素療法指導管理料を算定することになりました。
電子カルテには、管理料の漏れがないよう、メモ欄に「在宅酸素算定のこと」と記載してありました。
通常、当院の医師は、再診者の電子カルテを記入する際、一旦、前回のカルテをdo(コピー)し、中身を書き直すようにしています。今回も入院する前の最後のカルテを「前回do(コピー)」したはずでした。全てうまくコピー出来ていれば、上記在宅酸素療法指導管理料+すべての加算が、コピーされ、今月も漏れなく算定出来ている筈でした。
しかし、そこが電子カルテの落とし穴!うまくコピーが出来なかったのか、なぜか一部の加算が抜け落ちてしまったのです。正直、医師はこのような加算の沢山ある管理料の場合、患者様一人ひとりがどれに当たるのか分かっていない場合もあるので、本体の管理料があるので、安心してしまったのでしょう。
その後、医事でも飛んできた電子カルテをチェックする際、漏れなきようチェックすべきところを、またしてもここでもすり抜けてしまったのです。
原因
- 診察室にて:電子カルテのメモ欄に「在宅酸素算定のこと」と書いてはあったが、何の加算が必要かまでは、記載していなかった。
- 医事にて:酸素の算定の場合、必ず、個人酸素管理表と照らし合わせながら算定していくべきところを、気のゆるみで、加算部分までチェックしていなかった。
対策
このような単純な請求ミスは、ちょっとした工夫で防ぐことが出来ます。
- 電子カルテの特性を生かし、管理料などの請求漏れが起きたときにアラーム(警告)の表示が出るよう設定する。(電子カルテ会社との相談になります)
- 紙伝票の運用を併せて行う(当院では、検査のみ紙伝票を使用していましたが、これからは、管理料もまず、診察室のドクタークラークが紙カルテにチェックをいれ、医事に回すように改善する)
- 医事では、管理料算定の際、カルテと管理料一覧表を照らし合わせをするのだが、管理料一覧表に□チェックボックスを作り、そこに☑するように改善する
- 一部スタッフの中には、知識が不十分であったことも請求漏れにつながっているので、講習会や勉強会など診療報酬点数の理解を深めるための機会を存分に利用し、全事務スタッフが順番に参加していけるようにする
まとめ

請求漏れは非常にもったいないです。管理料の場合、酸素会社からの請求と合致しないことにもなります。そして何よりも、あとから患者様に請求するのは、非常にご迷惑がかかります。その日のうちにその日の算定を正しくすることが一番重要です。
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