アリセプト8㎎減点
先日、アリセプト8㎎の処方が減点されました。理由はアルツハイマー型認知症の病名に高度がなかったことによるもの。通常アリセプトは3㎎を2週間で開始し、5㎎、8㎎、10㎎と増量していくもので、当院では10㎎に上がった段階で、高度アルツハイマー型認知症の病名をつけていました。8㎎で高度がないことによる減点のようです。
薬剤の本を確認する
私の愛読する「今日の治療薬」南江堂を確認してみると、
適応:アルツハイマー型認知症
用量:1日1回3㎎から開始、1~2週間後に5㎎に増量、高度には5㎎で4週間以上経過後、10㎎に増量
とあります。なるほど、8㎎にするという状態については明記していませんが、5㎎を4週間以上経過後、それ以上に増えた場合は高度病名がいるということでしょうか。
実際、査定されてしまったので、次回から気を付けるしかありません。
抗認知症薬4剤の病名について
抗認知症薬にはアリセプトの他に、イクセロンパッチ、レミニール、メマリーなどが処方されます。4剤は症状や体質などによって、変更になることがあります。実際の患者さんの状態が高度認知症であっても、薬剤によっては、高度を削除しないとレセプトは通過できません。
例えば、アリセプト10㎎を服用されていた方が、薬の副作用で興奮状態が持続したり、食欲不振が増強し、イクセロンパッチに変更した場合、病名を高度アルツハイマー型認知症➡アルツハイマー型認知症に戻します。実際の患者様の状態は高度アルツハイマー型認知症のままであっても、レセプト病名として、高度を外すという訳です。
4剤を薬剤本で確認する
イクセロン、レミニールの場合は、軽・中等度
アリセプトは、軽度から高度
メマリーは、中等度・高度
の病名が適応のようですね。
4剤とも副作用も多いので、薬剤の変更は度々起こります。薬剤が変わる度に、病名は大丈夫かチェックする必要がありそうです。
レビー小体型認知症は、ドネペジル(後発薬)不可の原則
上記の表、アリセプトの②をご覧下さい。
レビー小体型認知症の場合、後発医薬品は未取得になっています。要するに、レビー小体型認知症の場合は、アリセプト(先発薬)のみが適応病名です。ついうっかり一般名で処方することのないよう、注意します。
まとめ

抗認知症薬は現在4剤のみ。認知症が世間に広く知れ渡って、治療を望む患者様が増えているので需要が増えています。今の段階では認知症をよくすることはできませんが、少しでも認知を遅らせたいという患者様が、次から次に今日も病院を訪れてきます。お蔭で業務時間が延びる一方。疲弊しているスタッフ一同です。
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