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医療機関で薬の管理はどこまでするべきか

院長殿の方針


当院の院長は、薬の管理にとても厳格な方です。忙しい診療の合間をぬってでも、患者一人一人の薬の残薬を把握します。まず受付をした段階から(もちろん定期通院の方のみです)、受付でこう聞きます。
受付「残薬何日分残っていますか?」
患者「うーん、3日ぐらいかな。」
  「そんなのわからないよ。」
  「いつもきっちり飲んでいるので残薬はありません。」
  「そんなこと言う必要あるの?」
などなど、患者の反応は様々。
最初は、うるさがっていた患者様も毎回受付で確認されるものですから、最近は聞かれる前から、残薬の数のメモを持ってきてくれたり、残った薬を全部袋ごと持って来られる方もいます。

診察室では、残薬数のメモを基に診療を開始します。残った薬を持ってこられた場合は看護師が全て診察前に数えて、メモに記載し、診察時に院長に提示します。
院長はその残薬数を基に、次の予約日までの日数と薬の残薬を併せみて、その日の処方の数を決めるのです。



医師事務作業補助者の私の仕事


私は医師事務作業補助者ですので、院長と共にその残薬のメモを見ながら、本日の薬の数を素早く計算しなくてはいけません。
例えば、残薬3日分で、次の診察が28日後の場合
28日-3日で25日分処方すると思うでしょうが、院長は、実は薬をきっちり丁度で出したいのではなく、余りを作っておきたいので(もし予約日に来れなかった場合の患者のリスクを考えて)余りを5日作るとしたら・・・と考えて
28日(次回の診察日までの日数)+5日(念のための余り分)-3日(現在の残薬分)=30日分処方します。
まだこれが1剤だけならよいのですが、多い人は10以上の薬が出ている場合もあり、計算に泣きそうになります。更に大変なのは朝夕と2回薬を飲む場合、その薬の朝だけが余っているなどと、朝夕別々の日数が余っている場合です。そうなると薬の処方せんごと朝夕に分けて処方しなおすので、
ミカルディス40㎎ 2錠 朝夕食後の処方の場合で、残薬が朝のみ10日あるとしたら、朝のみ
28日(次回の診察日までの日数)+5日(念のための余り分)-10日(現在の残薬分)=23日分になります。よって処方せん上は、

  • ミカルディス40㎎ 1錠 朝食後 23日分

  • ミカルディス40㎎ 1錠 夕食後 30日分 


となるわけです。ちなみに夕食後の分は、実際は余りを5日作りたいとしたら

28日(次回の診察日までの日数)+5日(念のための余り分)=33日分としたいところですが、長期処方はできませんので、こういう場合は最大の30日分の処方となります。

長期処方についてはこちらにも書いています。ご覧下さい➡長期処方について 分割処方について



薬の管理をすることのメリット・デメリット


メリット

  • 薬のことに言及することが多くなったので、患者さんの服用に関する意識が変化した

  • 薬をきっちり服用することにより、薬の効き具合がよくわかるようになり、患者さんの状態がよくわかるようになった

  • 無駄な薬を出さないことにより、医療費削減につながっている

  • 毎日、全患者の簡単な薬の算数をすることにより私(医師事務作業補助者)の頭の回転が速くなった





デメリット


  • 受付で薬のことを聞いたり、看護師が薬を数えたり、診察室で計算したり、業務にとにかく時間がかかる

  • 残薬があることが悪いことのような印象を患者さんに与え、医療不信を持たれる患者様も出てきた

  • 患者さんによっては残薬管理までされることに不快感を持つ人も結構いる




まとめ


最初は私自身も本当にこの院長の方針が面倒で、毎回30日分だせばいいのに。と思っていましたが、医師にとって大きな仕事はやはり投薬。その投薬と病状の状況がわかるためにも、残薬管理は大切なのかもしれないと最近思うようになりました。しかし、医薬分業の時代。ここまで医療機関で薬を管理する必要が本当にあるのか?少し疑問も残ります。薬局の仕事を半分しているような感じですから。また、あまり残薬のことをうるさく言いすぎても、患者を信用していない風にとられかねません。難しいところです。
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