ウォーターベッド
当院には1台だけ、リハビリ用機器があります。待合室の隅にポツンと置いてあるのは、ウォーターベッド君。 水の入ったベッドですので、柔らかく、心地よく、水の浮遊感を利用して、血行促進効果、リラクゼーション効果が得られる全身治療機器です。勿論医療器の認可を取ったものですので、使用すると医療点数が発生します。
患者の病状により(特に肩こり、腰痛等の患者)、医師の指示の下、看護師見守りで行う処置になります。
消炎鎮痛等処置 35点
ウォーターベッドを使用すると、消炎鎮痛等処置(35点)が算定出来ます。診療点数早見表で確認してみましょう。
長い診察の待ち時間に気軽に出来ることもあり、患者さんからはとても定評のある処置です。
しかし、実際のところ、ウォーターベッドを診察の待ち時間に利用されると医療側としては損をしてしまうことをご存じですか?
外来管理加算 52点
外来管理加算(52点)は、処置、リハビリテーション等を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できるもので、再診料の加算点数です。こちらも併せてご覧下さい。➡外来管理加算について
ということは、診察に訪れた患者が、診察+ウォーターベッドのような消炎鎮痛処置(35点)を行った場合は、外来管理加算(52点)は、算定出来ないこととなります。
- ウォーターベッドを使用しない場合:(再診料72点)+(外来管理加算52点)=124点
- ウォーターベッドを使用する場合:(再診料72点)+(
外来管理加算52点)+(消炎鎮痛等処置35点)=107点
要するに124点-107点=17点 処置を行った場合の方が、普通に診察をするよりも安い点数になってしまうということです。
これって、変だと思いませんか?医師が指示を出し、看護師が処置に伴う補助をし、手間も時間も多くかかっているのに、点数がマイナスになるなんて、どういうことなんだか。
きっと多くの場合は(整形外科など)、消炎鎮痛等処置は、診察ではなく、リハビリのみで訪れることが多く、現実に即した点数構成になっているものと考えられます。しかし、当院のように診察のついでにちょっとウォーターベッド。という考えではウォーターベッドのメンテナンス料、手間賃を考えると単なるマイナス材料にしかなっていませんね。
まとめ

診療点数にはこのような、?と思える点数が多々あります。しかし、診療点数改定の度にその不公平感のある点数は改定されていくものもあります。例えば退院後1か月内の特定疾患療養管理料もその一つ。平成28年度の改定前までは、退院後の方の1か月以内の特定疾患療養管理料がことごとく、減点になっていました。診療所のようなところでは、患者様が入院していたことなどわからないこともあり、請求後に減点されることの多かったこと。今では減点されることもなく、よい見直し事項であったと痛感しています。今、私が点数化して欲しいのは、長谷川式認知症テスト。手間がかかるテストにも関わらず診療点数がありません。それも今後見直されていくかもしれません。
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