脈波検査
動脈硬化、狭窄の程度を見るために、しばしば脈波検査が行われます。検査の内容はこんな感じ。
両腕、両足に血圧測定用のカフを同時に巻いて、自動で血圧と脈圧を測る検査です。そこからPWVとABIを割り出し、血管がしなやかかどうか、測定します。その値によって動脈硬化はあるか、狭窄、閉塞の程度はどうか定量的に見ることができます。
- PWVとは、心臓から押し出された拍動を上腕と足関節の脈波を測定し、2点間の時間差と距離を求めることにより算出するもの。血管の硬さ(しなやかさ)がわかります。
- ABIは足関節の収縮期血圧(上の血圧)を上腕の収縮期血圧(上の血圧)で割って求めます。(どちらか高い方の値を使用)
脈波の算定
- PWV測定は、D214「6」血管伸展性検査(100点)で算定します。
- ABI検査は、血圧測定のため、基本診療に含まれます。
大量減点
実は、2年前に1か月に約数十件、一気に査定になったことがあります。それがこの脈波でした。当初、この脈波検査を間違ってこのように算定していました。
誤:脈波図、心機図、ポリグラフ(3又は4検査)130点
↓
正:血管伸展性検査 100点
数か月して戻ってきた連絡文書には次のようなことが書いてありました。
「標記検査については、平成22年度4月の診療報酬改定にあたり「誘導」の考え方が変更されました。例えば四肢に電極を装着した場合は、「4誘導」として算定されていましたが、平成22年4月の診療報酬改定より「誘導数」から「検査数」に点数の区分が変更されたため「1検査」と考えられます。(4検査ではありません。)また、通常行われます脈波図・心機図・ポリグラフ検査にて脈波電動速度を求めている場合は、「血管伸展性検査(D214(6)100点)での請求が妥当と考えます。以上のことから請求に際しましてご留意いただきますようお願い致します。」
後にも先にもこのような丁重なお手紙付きでの、大量査定を頂いたのは初めてのこと。冷や汗の出る苦い思い出減点です。
まとめ
算定は、正しいと思い込んでいると何の疑いもせず、日々が過ぎて行きます。この脈波の件も同様。この場合は、減点対象でしたので、審査にかけられ戻ってきたことで気付くことが出来ましたが、もし、算定出来るものを取り忘れていた場合は、誰からも指摘されることなく、そのまま損をしたまま過ぎて行ってしまいます。普段何気なく算定している点数を、時折見直してみることが必要かも。大きな取り漏れや、間違いに気付くこともあるかもしれません。
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