診療情報提供依頼書とは
当院は診療所です。
時々、Faxで「診療情報提供依頼書」が他院(大抵病院です)から届きます。内容は、当院かかりつけの患者様が、他院を何らかの理由で受診されているので、患者様の情報(既往・診断・服薬・検査等)が欲しいとのこと。
当然、受診先の医師から、当院医師宛に送られてきます。
その反対に、当院を受診された方が、話を聞くとどうも他院を通院中の方で、主治医の紹介状なく、「お宅の病院で診てもらいたい。もう前の病院は嫌いだから行きたくない。」などの理由で受診される患者様。
このパターンは本当に困りもので、場合によっては過去の診断や服薬歴などは重要になってくるのので、「紹介状をもらってきていただけませんか?」と患者様にお願いします。
しかし、時によっては急を要するので、今すぐ診療内容を知りたい場合もありますので、そういう場合はこちらからも「診療情報提供依頼書」を先方の医療機関に電話・Faxで依頼をします。
先日もこんなことがありました
29歳の女性:頭痛で当院を受診されました。かなり痛みがひどいようです。通常ですと、そのまま検査(頭部CT等)をして、処置投薬の順で診療が行われます。
しかし話を聞いてみると、本日の午前中に近隣の脳外科を受診し、頭部CT等の検査を済ませ、「異常なし」と診断されたとのこと。更に痛みが続くようなら神経内科を受診するよう口頭指示があったそうです。痛みが持続するあまり、インターネットで調べてわざわざ、神経内科である当院を受診されたようです。「紹介状はありますか?」と尋ねたところ、「ありません」とのこと。頭痛の診断には頭部CTの結果や投薬などの内容は重要になってくるので、急きょ「診療報提供依頼書」の登場となりました。
診療情報提供依頼書(用紙)
診療情報提供依頼は決まった様式がありません。先方の医療機関に問い合わせるので、最低限必要なことは以下の通りです。
- 患者氏名、生年月日
- 現在の症状、受診状況
- 患者の承諾書(自筆サインが必要です)患者からの同意は個人情報上で必要です。
算定はどうなるの?
当院から診療情報提供依頼を他院に送った場合は、当然費用は発生しません。単にお願いしているだけですので、時には電話で済ます場合もありますので、その手間にかかる費用は保険算定には存在しません。
逆に「診療情報提供依頼」を受けて、当院が「診療情報提供書」を送った場合は、診療情報提供料Ⅰ(250点)を算定しています。
- 診療情報提供依頼を出してきた病院が、DPCの場合は合議の上、病院に実費請求
- その他の場合は、患者様に後日、再診料なしの「診療情報提供料」のみを保険算定
まとめ
①診療情報提供書、②それに伴う返書、③診療情報提供依頼書・・・「診療情報提供料」に該当するのはどれでしょうか?
答えは①のみです。
以前私が病院の地域医療室配属の頃の思い出です。
②の「当院を受診されました。ご紹介ありがとうございます。」だけの簡単な内容だけを書いたものでも「診療情報提供書」の用紙を使用し、おまけに電子カルテで診療情報提供料を飛ばしてくる医師もいらっしゃって、困ったことがあります。医師が入力したものをこちらで勝手に「返書」の用紙に書き換える訳にはいかないし、コストも勝手に削除は出来ません。説明して分かってもらい変更してもらうのは面倒な役目でした。(そういう医師に限って偉そうで、「そんなつまらんことを言ってくるな!」って感じでしたしね。)
苦い思い出です。
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