実例:血糖自己測定器のみを取りに来られた場合
「メディセーフチップ(血糖自己測定器)が無くなったので、1箱もらえますか?」
糖尿病で在宅自己注射をしている患者様が、来られました。この患者様は、血糖が安定していて、診察は2か月~3か月に1回しか来られません。先月には、在宅自己注射指導管理料を算定しています。こういう場合、血糖自己測定器加算のみ、算定できるでしょうか?
(回答)算定できません。しかし、後で算定できる方法があります。
血糖自己測定器とは
血糖コントロールをされている患者様が、医療機関に行かずとも自分で血糖を測れるよう作られたのが、血糖自己測定器です。指からの血で、血糖を簡単に測ることが出来ます。
血糖自己測定器本体は、医療機関からの貸出になります。医療機関はその使い方を十分指導し、それに使用するチップや針をその使用頻度に合わせて支給すると、血糖自己測定器加算が算定できるという仕組みです。
ちなみに当院では、メディセーフやワンタッチウルトラビューを支給しています。
血糖自己測定器加算
血糖自己測定器加算とは、在宅自己注射指導管理料の加算として算定できます。
- 月に20回以上・・・400点
- 月に40回以上・・・580点
- 月に60回以上・・・860点
- 月に80回以上・・・1140点
- 月に100回以上・・・1320点
- 月に120回以上・・・1500点
この20回や40回・・・は、1か月に何回、血糖を測るかで決まってきます。例えば、メディセーフチップは、1箱30個入っているので、1箱渡した場合は、月に20回以上(400点)で算定します。
しかし、上の実例のように当月に在宅自己注射指導管理料を算定していない月の場合、その月に血糖自己測定器加算は算定できません。あくまでも、血糖自己測定器加算は、在宅自己注射指導管理料の加算なので、管理料の無い月は算定出来ないという訳です。
血糖自己測定器を後で取りに来られた場合
- (同月内の場合)レセプト請求前の場合は、在宅自己注射指導管理料に血糖自己測定器加算を追加して、請求します。患者様には追加の分の料金を頂きます。
- (レセプト請求後の場合)この場合は、本当に困りもので、レセプトを返戻して再請求するか、もしくはあきらめるかのどちらかです。
血糖自己測定器加算(1月に2回、3回算定可)
しかし、本来は、インスリンを処方した時に、1か月以上処方するならば、その時に同時に血糖自己測定器加算も算定するべきです。
早見表を確認してみると、当該加算は1月に2回又は3回算定することもできるが、このような算定ができる患者は、在宅自己注射指導管理料を算定している患者のうちインスリン製剤を2月分又は3月分以上処方している患者に限るとあります。
①11月1日にインスリンを45日処方、12月15日に45日処方した場合
- 11月1日 在宅自己注射指導管理料を×1+加算を2月分算定
- 12月15日 在宅自己注射指導管理料×1+加算を1月分算定
または
- 11月1日 在宅自己注射指導管理料×1+加算を1月分算定
- 12月15日 在宅自己注射指導管理料×1+加算を2月分算定
②11月1日にインスリンを90日分処方した場合
- 11月1日 在宅自己注射指導管理料×1+加算を3月分算定
アルコール綿は無料?
在宅自己注射指導管理料算定の患者様が自己注時に使用するアルコール綿を希望される場合があります。それはすべて在宅療養指導管理料の中に含まれているので、医療機関から支給します。
(早見表 p313(12)を確認) 保険医療機関が在宅療養指導管理料を算定する場合には、当該指導管理に関するアルコール等の消毒液、衛生材料(脱脂綿、ガーゼ、絆創膏等)・・・・を当該保険医療機関が提供する・・・
まとめ

在宅療養指導管理料は細かい取り決めがあり、複雑で頭が痛いです。毎回、点数改正の度に、変わってくる在宅医療。来春の点数改正でも大きく変わってくるでしょうか。今のうちにしっかり把握しておきたいと思います。
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