診療所の診療報酬改定
前回の診療報酬改定
中医協の情報を読む
まず、何をしていいのか全くわからない方は、とりあえず厚労省からの通達(中医協の資料)をインターネット配信される度に隈なくチェックしましょう。公的な文章は読みづらく、枚数も膨大で大変な作業ですが、診療所の算定で重要な部分をピックアップすることから始めます。内容は膨大ですが、よくみると診療所に関係するのは、それほど数は多くありません。入院の項目などは飛ばし読みします。勿論、全部理解したい!って人は隅から隅まで隈なくチェックして下さいね。
診療報酬改定セミナーを探す
インターネットで、「診療報酬改定セミナー」と検索すると結構ヒットします。都会や大きな地方都市にお住まいの方なら、参加費さえ出せばそのセミナーに気軽に参加することが出来るのではないでしょうか。当院では研修費は院長が出してくれるので、参加費の安いものを探して?参加しています。
2年前の診療報酬改定の時は、医療事務会社のニチイの主催する「診療報酬改定セミナー」が結構格安で開催していました。他のセミナーは2~3万円するところを1~3千円で開催していました。それも病院と診療所と開催日時を変えていたのも好印象でした。改正のポイントの的をその医療機関によって変えてくれるということですからね。
しかし、申し込もうとした時にはすでに満席状態。残念ながら2年前は参加できなかったので、今回も主催されれば、是非申し込もうと考えています。
結局、外部セミナーには申し込めなかったものの、診療所のある市町村の医師会が説明会を開催してくれたのでまずはそちらに参加しました。次に都道府県の保険医協会が主催するセミナーに参加し、テキスト代のみで参加可能なもので、事務員全員で参加しました。説明はどちらもざっくりとしたものでしたが、その後保険医協会が配ってくれたテキストを基に、当院で必要な部分に付箋をつけて、細かく読み進んで、実際のレセプト入力に関与する項目を別紙にまとめていきました。大きなセミナーは遠すぎて無理だわ。という診療所も医師会や保険医協会のセミナーなら参加できるのでは。それだけでも十分間に合いますよ。
電子カルテと診療報酬改定項目をチェック
内容が理解出来た後は、電子カルテで入力する際にどう変わるか実際にデモ入力してみます。電子カルテによっては、癖があるもの。例えば前回の改定で変更のあった在宅酸素等の3か月に3回算定ルール。当院の電子カルテは基本的には1回しか算定できず、回数を入力する特別な方法が採用され、そのやり方を覚えたり。といった具合。
あと、電子カルテ業者も算定のプロですの大いに質問しましょう。大抵のことはすぐに答えてくれます。ここまでくればほぼ準備万端です。
製薬会社のMRさんに頼んでみる
2年前の改定で、実は一番有効だったのがこれ。診療所に出入りする製薬会社のMRさんに相談したところ、説明会を当診療所のためにしてくれるとのこと。製薬会社さんにとっては、院長にアピールする絶好のチャンス?ともなるので喜んで引き受けてくれる業者もあります。細かく独自の資料を作って、お客さんである当院のために、色々と調べてくれたりしました。当スタッフのための独自の勉強会も開いてくれて、本当に助かりました。大きなセミナーでは質問しにくいですが、院内での勉強会のため、質問も大いに活気づきました。「自分たちはこう解釈しているが、どう思いますか?」など第三の目で解釈してくれるので、気付かされることも多くあります。是非、声をかけてみて下さい。協力してくれる製薬会社さんもあると思います。
改訂版の診療報酬早見表が発売されるまでは・・・
完璧に理解し、準備したつもりで始まっても、自己満足だけの場合があります。実際は取れるものを落としていたり、レセプト記載の方法を間違っていたり、改定が始まって数か月は修正が必要な時期です。新しい診療点数早見表(医学通信社)が発売されるまでは(確か夏頃だったと思います)、大筋をまとめた保険医協会の資料などを基に取り組むしかありません。
もちろん中医協のホームページも引き続きチェックしてください。疑義解釈が掲載されます。
保険医協会は強い味方
何と言っても診療所にとって、つよ~い味方は「保険医協会」。都道府県に必ずある保険医協会は、算定のプロ集団です。どうしてもわからないことは、どしどし電話で質問しましょう。保険医協会から配られる診療報酬点数表を片手に、算定の根拠となるページ、項目などを詳しく説明してくれます。所属する市町村ごとに担当窓口が違う場合もありますので、代表に電話をして市町村名、医療機関名、担当者名を告げて、わからないことは素直に相談してみましょう。きっと納得のいく答えが聞けますよ。
まとめ
