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薬のみ診察?について

薬のみ診察も診察なの?


みなさんの医療機関では、薬だけ出すことってありますか?

診察室で医師と対面することなく、薬を処方してもらうことって、本来、どうなんでしょうか。患者様本人が何かの事情で来れなくて、家族が来院して、診察室で医師と話をして薬をもらうこともありますよね。

そんなとき、こんなとき、一体診察料はどう算定したらいいのでしょうか。




初診料+薬


初診料の原則は、「患者本人の診察を対面で行うこと。」とあります。例えば、家族の方のみが、相談のために診察に来られた場合も、家族診察として初診料を算定できません。この場合は、医療機関任意での自費料(家族相談料等)として、徴収する場合もあります。

私の勤めているクリニックでも、家族のみが相談に来られる場合もありますが、そういうときは一律5000円として自費で頂いています。

相談料として家族が来院され、相談料は発生することがあっても、薬が出ることはありません。もしそういうケースが生じたとしたら、薬に関する費用全てが自費になるということです。


再診料+薬(家族受診)


何らかの理由で、患者本人が診察を受けることができず、家族が診察をして薬を出してもらうこと

は、時々あります。

そういう場合は、再診料を算定することができます。場合によっては、特定疾患療養管理料などの医学管理料も算定できます。当然、病気の指導をしているのでね。

ただし、外来管理加算は算定できません。



外来管理加算の原則


外来管理加算を算定する場合は、医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診・聴診・打診及び触診等)を行い、それらの結果を踏まえて、患者に対して症状の再確認を行いつつ病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明すると共に、患者の療養上の疑問や不安を解消するために取り組むこととあります。

投薬は、本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護にあたっている者から症状等を聞いて、薬剤を投与した場合は、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できません。



再診料+薬はOK?


今までの流れから行くと、患者様が「今日は忙しいから、診察なしで薬だけ出してほしい。」というケースにはどう対応したらいいでしょうか。

もちろん初診の場合は・・・×ですが、再診の場合はどうでしょうか。

「多忙等を理由に、診療行為を行わずに、簡単な症状の確認等を行ったのみで継続処方を行った場合においては、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。」とあります。

受付や看護師等と、薬の内容の確認だけで、医師と出会わずに薬を出す場合には、外来管理加算のない再診料しか算定できないということです。もちろん特定疾患療養管理料のような医学管理料も指導をしていないので算定できません。



薬だけ処方の実態は・・・


正直、薬だけ出してほしいという患者は大勢います。安定している患者様でしたら、医療機関の方も薬だけ出している場合も多いようです。一体どの頻度で、薬のみ診察がなされているかは、正直わかりませんが、察するに多くの医療機関で行われているように思います。以前、私が受診したクリニックでは、堂々と受付の診察入れケースに、「診察」「薬のみ」と明記してあったところも。

カルテには、薬だけ処方したことをそのまま記載してあるのでしょうかね。もしかしたら診察をしたように記載してあるかもしれません。ひどいところでは、薬だけなのに、医学管理料まで算定されているところも。

一回の診察で90日処方するところもまだありますし、患者の状態管理という面で、本来の診療はどういものか。事務として正しく把握することは大切だと思います。

もちろん医院の方針を決めるのは、院長ですので、従業員である事務員にあれこれ言う権利はありませんが、「この診察、この算定おかしくない?」と思えるアンテナと知識は持っていたいものです。




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医療管理費について

ここ数年不眠や偏頭痛、肩こり等の症状があり脳神経外科で毎月定期的に受診をしています。先日月初と月末に受診しました。月末受診の際症状が安定しているので薬処方のみを希望し先生と3分程度話しをし前回と同じ薬を処方いただきました。支払時医療管理費の225点記載があったので薬のみを希望なのに医療管理費がなぜ加算されているのか受付の方に伺ったところ「レバミヒド錠」を処方していてこのお薬に医療管理費がかかります。と言われました。このようなことはあるのでしょうか?ご教示いただきたくよろしくお願いいたします。

Re: 薬のみ診察?について

これは患者様側からは分かりにくいですね。患者様は薬のみと思っていらしても、医師と話をした以上、これは薬のみではなく、「診察」です。診察の際には、医療管理料は算定されます。
診察時に、レパミビドが処方されているので、慢性胃炎の病名となり、慢性胃炎は高血圧や糖尿病などと同じように慢性病とみなされ、特定疾患療養管理料が算定出来るので、この点数は病院側から言うと間違いではありません。
ただしそのレパミビドの病名が患者様の主病であるかどうか、そのことについて話をしたかどうかが本来必要になります。片頭痛の薬(鎮痛薬)で胃が荒れることがあるので、レパミビドが出されているのだとしたら、そういう話はされませんでしたか?頭痛薬と一緒にいつも処方されていませんか?
一時的に胃薬をもらっただけだとしたら、算定されなかったのではないかと思いますが。

No title

10年以上前に、薬のみ(診察なし)で再診料稼ぎが問題になり、それがキッカケで90日処方が可能になったはず。
未だにそんなことしてるなんて…

Re: 薬のみ診察?について

今は90日処方は、厚労省としては推奨されません。(出しているところもまだありますが)基本は30日。そもそも3ヶ月も病状が変わらず、診察もしないなんて逆に真の意味での医療とは言えないからです。
毎月診察をして処方する。それができない場合は今は分割処方が認められているので、最低でも1ヶ月に一回は薬剤師と体調について声を交わすのが基本です。
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