初めの一歩(保険証入力)について
初めて医療事務で覚えた仕事は何ですか?
私は、保険証の入力の仕方でした。レセコンの入力方法を覚えることも兼ねて、まずは保険証の入力方法を諸先輩から学びました。
- 保険証には、多くの種類があること
- 記号・番号があること
- 患者負担割合に違いがあること
今思うと、当たり前のことが全くわからないままのスタートでしたので、保険証から読み取れる多くの意味も考えず、ただ入力の仕方だけを覚えて、正確に名前や数字を入力することが大切だと信じて疑いませんでした。
保険証は一人1枚とは限らない
最初の保険証の入力は主保険のみの方ばかりでした。しかし、主保険の入力を覚えてくると、次は、公費などの保険証を一緒に出された場合の入力の仕方を覚えていきます。
一人の人が、数枚保険証を持たれていることに疑問をもつこともせず、私が意識したのはやはり、正確に入力することだけでした。
保険証には、色々なパターンがあるが、(国保、組合、後期高齢、難病、身障など)レセコンの入力画面にただひたすら正確に入力することが、保険証入力の大切な仕事だと思いこんでいたのです。
未だにその癖が抜けない
実は、私未だに保険証入力が苦手です。もちろん、正確に入力は出来るんですよ。それは、患者様が見せてくれさえすれば、正確に入力は出来るという意味です。
何が苦手かというと、患者様によって保険証が数枚必要な場合があるということを予見するのが苦手なんです。患者様によっては、保険証をどれを見せたらいいかわからないという方も大勢いらっしゃいます。古いものからコレクションのように同じ保険証入れに、入れっぱなしの方も多いです。
どれを見せたらよいのかさえ、わからずに、保険証いれごと提出して、「どれか探して」と言われる場合もあります。その保険証入れの中には、(主保険+限度額適用証+特定疾患の保険証+介護保険証)などが新旧ごちゃ混ぜに入っていることすらあるのです。
- この方は、難病をお持ちだから特定医療費受給者証があるはずだ
- この方は、75歳になったから後期高齢に切り替わっているはず
- この方は、前回限度額適用証を持っていたから、期限を更新している可能性がある
などと、的確に患者様の保険証提出を促すのが苦手なのです。やはり、それは最初に、保険証の意味をあまり考えずに入力の仕方だけを覚えた結果なのでしょう。
本日の失敗
実は本日こんなことがありました。
難病の患者様で、国保+限度額適用証+特定医療費受給者証をお持ちの方です。その方はいつものように3枚の保険証を提出して下さいました。
ただ一つ、いつもと違っていたのは、特定医療費受給者証に新とゴム印が押してあったことと、適用区分がオ→Ⅱに変わっていたのです。
「なんでオからⅡに変わったんだろう?」と思いながら、もしかしてと思いながら、限度額適用証の方の提示もお願するとやはりⅡになっています。それも先月から!
問題は、先月の保険証確認です。
この患者様は2か月前に70歳になっていらっしゃったのです。しかし、先月は、特定医療費受給者証は、オのままのものを持って来られていたのですね。しかし、先月は特定医療費受給者証はまだ古い分しか、手元になく(患者様は表示が変わったことなどわかりませんからね。)県から郵送されてきたのが、遅くなって、今月になってから持って来たということだったのです。
先月は限度額適用証がⅡにも関わらず、特定医療費受給者証をオで確認し、不一致に気付かなかったという事務側の問題です。
70歳になったと気付いて、「適用区分が変更しているはず。」という認識さえあれば、先月その不一致に気付いて、新しい特定医療費受給者証に切り替わっているのでは?と患者様に尋ねるなり、県に確認したりなどが出来るはずだったのです。
70歳未満の高額療養費はカタカナのアイウエオで表示してある
70歳以上はⅠ~Ⅳで表示してある
まとめ
保険証入力と簡単に言っても実に奥が深いものです。正しく文字と数字を入力するだけの仕事ではありません。患者様の年齢、病気から推測して、どの保険証をお持ちなのか予見して、保険証提示をお願い出来るようになれば、一人前です。私はまだまだ半人前なのだということを思い知らされた一日でした。
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