妊婦加算とは
2018年4月から、初再診料、外来診療料に妊婦加算が加わりました。小さい子供には手がかかりますよね。その分、診察したら乳幼児加算をつけましょう。それと同じ扱いです。妊婦も診察に手がかかるということですね。もちろん妊婦は大人ですので、コミュニケーションに困るとか泣きわめくとか、そんなことはありませんが、例えば薬の処方とか検査にも、妊婦がゆえに気を配る必要があるので、そういった扱いになったのでしょうか。今後子供も少なくなる時代、妊婦さんは貴重な国の宝ということでしょう。
改定の概要
- ア.妊婦加算が(初診時75点、再診時38点)が新設された。診療科を問わず、妊婦に対して初再診を行った場合に算定出来る。なお、2科目初診料、再診料には加算できない。
- イ.時間外加算、休日加算、深夜加算、時間外特例加算について、診療科を問わず、妊婦に対して初・再診における時間外加算等について、妊婦の場合も乳幼児の場合と同様に高い点数を算定できることとなった。それぞれ通常より高い点数(初診:200点、365点、695点、345点)(再診:135点、260点、590点、250点)を算定できる。
- ウ.産科又は産婦人科を標榜する医療機関については、標榜時間内であって厚労大臣が定める夜間等に妊婦を診察した場合は、産科・産婦人科特例加算として、それぞれ(初診:200点、365点、695点)(再診:135点、260点、590点)を算定できることとなった。①産科又は産婦人科以外を担当する医師が診療した場合も算定できる。②夜間・早朝等加算とは併せて算定できない。③2科目初診料、再診料には加算できない。
- エ.妊婦加算は上記「イ」又は「ウ」の加算と併せて算定することはできない。
(保険医団体連合会 点数表改訂のポイント 2018年4月版より抜粋)
日本医師会『Q&A』より抜粋
妊婦加算は新設されましたが、問題は一体どうやって妊婦であるか確認するかということですよね。乳幼児加算のように保険証からは勿論わかりませんので。
最初に問診時に妊娠の有無は確認すると思いますが、さてそれも本人の申告でいいのか?何らかの妊婦であるという証明がいるのか?困りますよね。
日本医師会のQ&Aで早速回答が見つかりましたので、抜粋します。
Q:患者が妊婦であることは患者本人の申告だけでよいか?母子手帳の確認が必要か?
A:医師が問診の上、妊婦であると判断した場合は算定できる。この場合、母子手帳の確認は必ずしも必要ない。
母子手帳などの提示は必要ないようです。医師が問診中に妊婦と確認すればそれだけで、妊婦加算が算定できます。医療機関では、妊婦や胎児の健康を守るためにも、妊娠しているかどうか必ず確認することが大切です。
まとめ
「若い女性をみたら妊婦だと思え。」という言葉もあるようですが、これは今ではセクハラもセクハラ。若くなくてもまた若すぎても女性は、生理があれば、妊娠は可能ですから。
「?この人は違うだろうなあ。」という先入観は捨てて、必ず女性には妊娠の有無を確認するようにしましょう。
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コメント失礼します。
この、妊婦加算ですが、
同月に、初診、また再診きてもとれるのでしょうか?
乳幼児加算と同様にかんがえてもいいのでしょうか?
かなっくさん、早速のコメントありがとうございます。
現段階での概要を見てみると、特に同月内の初診、再診のルールは規定されていないようです。
私の解釈では、同月内であっても、初診、再診それぞれに妊婦加算を取ってもよいと考えます。
概要のイに「妊婦の場合も、乳幼児の場合と同様に・・・」とありますので、乳幼児加算と同様と考えていいのではないでしょうか。
ブログに初再診料一覧表を追加で載せておきましたので、参考にしてもらえれば幸いです。
新設の算定はまだ詳しいことがわからないので、解釈の仕方について、戸惑うことばかりですが、追加の情報がわかりましたら、このブログでも発信していきますね。
レセプト週に突入し、プラス診療報酬改定になりますので、大変な時期ですが、お互い頑張って乗り切りましょう。
早速の回答ありがとうございます!
また、わからない時は色々相談してもいいですか?
よろしくお願いします
質問させてください。
この加算を取る場合、例えば風邪でかかった時は「上気道炎」等の病名だけで、「妊娠○週」とかは入れなくてよいんですかね?
毎日拝見しております。大変勉強になります。
記事内容に関連しておりませんが、質問させて頂きたいのですかよろしいでしょうか?
yuriさん、コメントありがとうございます。
う~ん。悩みますねえ。
現段階の概要では、「妊娠〇週」などの細かな所までは求められていないように解釈できますが、この先追加の解釈があるかもしれませんね。
「医師が判断しただけでよい。」などの曖昧な感じで加算を本当に取ってもいいのか。どこに証拠があるのか。等、問題も起きそうにも感じます。
少なくともカルテ上には、医師が妊娠していると判断した旨を記載する必要はあると思います。
また後日追加の解釈が加わるようでしたら、ブログで発信しますね。
さちこさん、初めまして。
いつもブログを見て頂いているとのこと、ありがとうございます。
質問があるとのことですが、私の解釈の範囲でわかる程度のことでしたら、喜んで回答したいと思っています。
どういったことでしょうか?
質問によっては時間がかかる場合もありますが、ご了承下さい。
返信ありがとうございます。
本日、講習会にも行ってきましたが、「口頭だけの確認でよい」でした。
それ以上の説明や記載がないと言うことは、必要ないってことなんですかね(^_^;)
悩ましいところですが、ひとまずは妊娠病名はなしでやってみようと思います。
夜分遅くに申し訳ありません。
1つ目ですが、往診についてです。
特別養護老人ホームに入所されている患者様が急変で往診した場合、再診料等算定しますが、その一つに「明細書発行体制加算」は算定可能でしょうか?当医院は診療所で届出もしております。
2つ目は「特定薬剤治療管理料」です。
患者様が以前から「ユニフィルLA錠」を喘息で毎月235点を算定しています。今月から偏頭痛で「バルプロ酸」も採血し算定を開始しました。
算定は235点または470点スタートでしょうか?
3つ目はこの度の診療報酬改定にある、向精神薬ベンゾジアピン系薬剤の長期間投与=40点についてです。説明会に参加して「算定ポイント」書籍を確認したところ、該当開始日は今年4月1日からとありました。Halさんのコメントを拝見しましたが、仮に該当者が来年からとしたら、今年度は40点算定は関係無いのでしょうか?
私の認識では昨年3月から1年間連続投与だと思っていました。
長くなり申し訳ありません。
ご返答のほど、どうぞ宜しくお願い致します。
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さちこさんへ
1. 往診料算定時の明細書発行体制加算について
「往診料算定時には、初再診料とその加算は別に算定できる」となっています。
今回の場合は再診時のようなので、明細書発行体制加算は再診料の加算なので、同時に算定していいと思います。
2. 2つ目の特定薬剤治療管理料について
一つ目がユニフィル(②テオフィリン製剤)、4月目以降で235点を算定、それに加えて今月から⑦バルプロ酸が追加になったのですよね。
特定薬剤治療管理料の一覧表の注1を確認してみると、「対象薬剤群(①②③…)が異なる場合は、別々に所定点数を月1回算定できる」とあるので、バルプロ酸は別個に考えて470点スタートでいいと思います。初回算定加算なら280点も加えて、初月は750点で算定できるのでは。
3. ベンゾジアゼピン系薬剤長期投与について
私もHalさんからコメントを頂き、もう一度概略ポイントの本を確認したところ、「2018年4月1日以降の処方を対象として、1年以上連続して同一の成分を1日当たり同一用量で処方した場合」とあるので今年度は40点への減算は実際には関係ないと思います。
今年度のうちに医師に指定の日医eラーニングのカリキュラム単位を取得してもらうか、または内服から頓服への処方に切り替えていくかなど、工夫をすれば来年度からの減点は避けられるかもしれませんね。
以上、あくまでも私の解釈ですので、参考にしていただける程度に扱ってもらえると助かります。診療所だと相談できる相手がいなくてお困りなこと、十分理解出来ます。ネットサーフィンをしたり本を読んでもわからないことが多いですよね。私は算定のことで悩んだ時は、各都道府県の保険医協会に尋ねることにしています。
ゆうさん、お久しぶりです。忙しい時期になりましたね。
私も今日は休診日で、ゆっくりしたいところですが、診療報酬改定の本とにらめっこの一日になりそうです。
さて、お尋ねの妊婦加算の件ですが、保険医協会の「2018/4点数表改訂のポイント」の改訂の概略を確認すると、「妊婦加算(初診75点、再診38点)が新設された。診療科を問わず、妊婦に対して初診(又は再診)を行った場合は算定できる。」と記載してありますので、どの科でも算定できると思います。
いよいよ来週から診療報酬改定スタート。お互い頑張って乗り切りましょうね。
いつもブログを見て頂いて、本当にありがとうございます。
お忙しい中、大変分かりやすいご説明ありがとうございました。大変勉強になりました。
知識不足の為、ご迷惑をお掛け致しまして申し訳ありませんでした。
調べてもわからない場合は、保険医協会のお力もお借りしたいと思います。
この度はありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。
yuriさん、妊婦加算の件で、追加訂正させてもらいます。
当院使用の電子カルテ会社さんと診療報酬改定について話しをする機会があり、妊婦加算について、考え直したところ、やはり、病名として、「妊娠◯週」まではいらなくても、「妊娠」とわかる病名は必要だと思います。
当院でも例えば「上気道炎」「妊娠」と病名をつけようということになりました。
それが本来正しいかどうかはわかりませんが、参考にして頂けたらと思います。
よろしくお願い申し上げます。
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子宮外妊娠は妊婦加算取れるんでしょうか?
今日初診で入院され、明日オペされます。
疑義解釈にも載ってないですし…
ワサビさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
困りましたね~。ワサビさんの質問に思わず悩みこんでしまいました。
確かに、疑義解釈もここまで載っていませんしね。
まず初診で来院され、妊娠検査をされて妊婦と診断されたということですよね。その時点で妊婦であることは確定。
その診断が下った段階で、妊婦加算を算定してもよいのではないでしょうか。
子宮外妊娠ということは、正常妊娠ではありませんが、妊婦であることには変わりありませんし。
妊婦加算について以下のように注釈があります。「初診料等において妊婦に対して診療を行った場合に算定する妊婦加算を新設する。」とあるので、正常妊娠か否かにこだわらずとも算定していいのではないでしょうか。
断定的な回答が出来ず、申し訳ありません。
なつこさん、回答ありがとうございます。
私たちの職場でも、同じような意見が多かったので、算定してみようかと思います。
レセプトへの記載についても、なんだか曖昧だし、万が一のことがあって、もう妊婦じゃないのに、こちらが把握できずに算定し続けるなんてことにはならないの?毎回妊娠かどうか確認する?見た目だけで判断できない事もありますよ?…などなど
職場でも困っている算定のひとつです(^^;;
胃瘻交換時のペグファイバー は、内視鏡で算定されてますか?
ワサビさん。こんばんは。
ペグファイバーの質問ですが、当院はドクターの専門分野が消化器内科ではないこともあり、胃瘻交換は行っていません。
ですので現状の算定については申し上げられませんが、以前、病院に勤めている頃は、よく胃瘻交換が行われていたのでその時のことをお話させて頂きます。
胃瘻交換時には、必ず交換後に画像診断又は内視鏡等が必要ですので、算定は(経管栄養・薬剤投与用カテーテル交換法+腹部レントゲンまたは内視鏡)で算定していました。
病院勤めの時代は、約5年前ぐらいになりますので、最近はどのようになっているかはわかりませんが、参考になりますでしょうか。