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薬のみ診察、オンライン診療は合法か?

「今日は薬だけ下さい」

医師は患者を直接診察をして、薬を処方するのが基本ですが、現実にすべての患者様を診察しているわけではありませんよね。本人が何らかの都合で来院できず、家族が代わりに診察室に入り、話をする場合もありますし、「今日はどうしても急ぎの用事があって、薬だけお願いしたい。」と患者様に言われることもあります。
みなさんの病院、診療所ではそういう場合どうしていますか?算定の仕方は?いえいえ、元々「お薬受診」は合法なのでしょうか。

医師法第20条より抜粋

第二十条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方箋を交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

上記、医師法から考えると、診察をしないで「今日は診察なしで、薬だけをください。」というのは、法律違反ということになります。
しかし、どうでしょう。実際には患者を診察することなく薬だけだすことってあるのではないでしょうか。

「診療点数早見表 外来管理加算」より抜粋


医師法では合法ではありませんが、診療報酬では堂々と算定が可能と書いてあります。しかし、条件は再診料のみ算定すること、外来管理加算は算定できません。


外来管理加算の基本

外来管理加算とは、処置、リハビリーテーション等(診療報酬点数のあるものに限る)を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できるもの。

外来管理加算を算定するには・・・

  • 医師の丁寧な問診
  • 詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)
  • 診察の結果を踏まえて患者に対して症状の再確認を行う
  • 病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明
  • 患者の療養上の疑問や不安を解消するための取組を行う
が必要になります。
ですので多忙などの理由で症状の確認等だけで薬を出す場合は、再診料だけしか算定できないということです。


オンライン診療は合法か?

4月からオンライン診療料が導入されましたよね。では直接患者を診察しないオンライン診療は合法なのでしょうか。(診療点数早見表2018年度版 A003 P63から抜粋)

(参考通知)情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について

1 基本的考え方

診療は、医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本であり、遠隔診療は、あくまで直接の対面診療を補完するものとして行うべきものである。

医師法第20条等における「診察」とは、問診、視診、触診、聴診その他手段の如何を問わないが、現代医学から見て、疾病に対して一応の診断を下し得る程度のものをいう。したがって、直接の対面診療による場合と同等ではないにしてもこれに代替えし得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではない。


今朝の新聞より

今朝面白い新聞記事を見つけました。在宅のまま受診から薬の受け取りまでできる「オンライン医療」を全国で初めて兵庫県養父市で導入する方針を固めたとのこと。兵庫県養父市は国家戦略特区に指定されていて、今後の全国のモデルケースになるようです。テレビ電話で医師が診察をし、処方箋を画像データとして患者本人と調剤薬局に送り、そのデータを基に薬剤師がテレビ電話で服薬指導をし、患者はその薬を郵送などで受け取れる仕組み。将来的にはドローンによる薬の配送も検討中と書いてあります。

ハリーポッターの映画の中で、ハリーのふくろうのヘドウィグが、ハリーに様々な手紙や贈り物を届けるシーンがありますよね。まさにそんな感じなのかもしれません。空から薬が降ってくる夢のような時代はもうそこまで来ています。


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