学会休みは親孝行のチャンス
先週、当院長が学会で3日間、臨時休診となりました。前回の学会休みは、夫と長崎の軍艦島ツアーに行ってきましたが、今回は姉と二人で福岡県で独り暮らしをしている父の元を訪れました。
父は、90歳を超えていますが、最近福岡県に引っ越しをし、未だに一人暮らし。近くに長姉が暮らしているので移り住んだのですが、高齢者の一人暮らしは如何なるものか、医療機関に勤めている私にはよくわかっています。暮らしに不自由はないか、周囲の環境はどうか、いつも長姉にばかり任せきりで申し訳ない気持ちを胸に、新幹線に乗り込みました。
父の住まいは福岡県小倉市。新幹線を降りると、すぐに見えてきたのが「銀河鉄道999」のメーテルや鉄郎、キャプテンハーロックの像です。「銀河鉄道999」は私が中学生の頃、大好きだったアニメ。「宇宙戦艦ヤマト」同様、大好きだった漫画家松本零士さんの作品です。そのアニメから夢や希望を学んだと言っても過言ではありません。父がこんな町に住んでいるなんて!なんだか嬉しくなりました。

「サ高住」とは
実は父は、「サ高住」=サービス付き高齢者向け住宅に住んでいます。サービス付きという言葉から介護付きの高齢者施設と思われがちですが、そうではありません。いわゆる介護度でいうと、「自立」した人が入居する住宅で「安否確認」と「生活相談サービス」のみです。ケアの専門職の方が日中は対応してくれますが、夜間は常駐していないところもあるようです。父のところは、夜間も常駐していて、夜間休日に具合が悪くなり救急受診するときなどは、実費で付き添いもしてくれるとのことでした。
入居時の一時金が不要で月決めの賃貸マンションを契約しているような感じです。ちなみに父のもらっている年金で十分払える家賃となっています。
部屋の内装
父の部屋は概ね8畳程度の広さがあります。部屋は手すりつきで、段差のないバリアフリーになっています。クローゼットと冷蔵庫、介護用ベッド、テレビ、エアコンが取り付けられていて、部屋内にトイレ、洗面も完備されています。お風呂と食堂は共同で残念ながらその様子は今回見ることが出来ませんでしたが。
防犯もかなり高度で、マンションのエレベーターを使って、勝手に父の住む階に行こうと思っても専用のカードキーがないと、エレベーターにも乗れません。職員さんに連絡すると、窓口で訪問者の名前を記入し、身分が明らかになって初めて、マンションの訪問者用カードキーを渡してくれる仕組み。外部から怪しい人が入り込まないようによく考えられていました。
父の部屋の窓から見た景色です。海が近くてとてもよい眺め。
「サ高住」のデメリット
父がサービス付きの高齢者マンションに住むのは二か所目ですが、どちらも内装はきれいで高齢者には安全な作りになっていました。しかし、住むのは高齢者の一人暮らし。自立の場合は、デイサービスなどの施設内サービスは受けられないため、自分で自分の昼間の居場所、交流場所を探さなくてはなりません。比較的父は、男性とはいえ、他人と関わるのが好きなタイプなので、近くのスポーツクラブや老人クラブに通いたいと考えてはいるようですが、中々実行出来ずにいます。年々衰えていく体とつきあうだけでも大変なのが現実。施設内にそのような交流の場が持てると一番いいのですが。高齢者の孤独は即認知症にもつながりますし、父を孤独にしないことが、私たち子供の緊急の課題です。
門司港観光

父と別れてから、近くの門司港観光に行ってきました。門司港レトロは長崎、神戸、横浜のように大きな港町ではありませんが、クラシックな建物が素敵な港町でした。門司港駅舎は大正時代の建物でクラシカルな気分に浸るにはピッタリ。旧門司税関、国際友好記念図書館、旧門司三井倶楽部と海沿いの古い町並みをゆったりと散歩しているとノスタルジックな気分になれます。名物の焼きカレーの匂いが今も記憶に残ります。門司港から巌流島までの連絡船も出ていて10分程度で到着するようです。巌流島は武蔵と小次郎が対決したことで有名ですよね。今回は時間がなくてその船には乗れませんでしたが次回必ず乗船してみたいなと思います。
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