コメントから勉強させて貰っています。
先日、私のブログに頓服処方についてコメントをくれたW様、ありがとうございました。自分では当たり前に分かっているつもりでいたことを、コメントを返すためにもう一度見直してみると、とても勉強になるものです。W様のところも頓服処方で査定があったようですが、分析してみると、診療所の場合は特に診療行為が少ないこともあり、レセプトの査定は薬剤についてのものが多かったりしますよね。
今日は頓服処方について基本のおさらいをしてみようと思います。
頓服薬とは
定期的、継続的に飲むのが「内服薬」。発作、疼痛時などに、臨時に服用するものが「頓服薬」です。ちなみに「外用薬」は体の表面に用いる薬のことを言います。
例えば・・・
- 血圧の薬等は、毎日決まって服用するものなので→「内服薬」
- 頭痛や発熱時に、その時だけ服用するものが→「頓服薬」
になります。
私たち医療スタッフにとては当たり前のことのようですが、患者様には案外わからないもの。先日も先生が患者様に「今度から睡眠薬は、内服じゃなくて頓服にしておくね。頓服だから今回は14回だけにしておきます。眠れない時だけにしてね。」と言ったところ、患者様の顔が「???」に。会計の時にいつも28日分処方される睡眠薬が14回分しか処方されていなくて、「今日はどうして少ないの?」と事務スタッフに質問があり、患者様がどうも内服と頓服の違いがわからなかったことが判明しました。
頓服の処方制限
頓服の基本は疑義解釈資料の中に「1日2回を限度として臨時的に投与するものをいい、1日の服用回数が2回以上でかつ服用に時間的、量的に一定の方針がある場合は内服薬とする。頓服薬は症状に応じて臨時的服用を目的として投与するものをいう。」とあります。
都道府県によって「1回量×10回」もしくは「1回量×14回」としているところが多いようです。
ちなみに当院では1回14回を制限として処方しています。
薬の処方について思うこと
実は薬の処方についていつも悩んでいることがあります。例えばこのような頓服が出た場合、基本はレセプト的には14回までとなっていても、ドクターが28回で処方した時、皆さんはどうしていますか?
その場ですぐに医師に連絡をして、基本は14回までだと伝えるか、若しくはそのまま放置するか・・・迷うことってありませんか?
医師は基本を当然知っていて敢えて多く処方している場合もありますし、もちろん人間ですからうっかりってこともあります。その見極めがつかない事務スタッフが忙しい診察の最中に、ドクターにそんなこと聞いていいのか?ということ。診察の中身を見ていない事務スタッフがそこまでする必要があるか?という疑問もあります。「薬のことは医師や薬剤師の管轄だし、素人があれこれいうべきじゃないしね。」というのもあります。
時と場合によりますが、私はその場で患者様のために何か悪影響が及ぼされるかも、と感じた時で自分の知識の範囲で「あれ?」と思ったことは面倒ですがもう一度聞いてみることにしています。
- 「先生、緑内障をお持ちの患者様ですがPL処方されていますが、よろしいでしょうか?」
- 「〇〇剤と〇〇配合剤は、併用不可ですが、よろしいでしょうか?」
「事務スタッフごときが!」と内心面白く思われないドクターもいるかもしれませんが、水際で危険を察知できた場合、伝えることは重要なことです。「あーありがとう。そうだよね。助かったよ。」と言ってもらえればとても嬉しいもの。しかし、私の知識間違いで「それはいいんだ!。そのままで!」って怒られることも勿論ありますがね・・・
まとめ
医療事務は、お金の計算、接遇だけを担当しているわけではありません。特に小さな診療所になればなるほど、チームプレイが大切になります。仕事の分担もはっきり線引き出来るのは大きな病院だからこそ。診療所勤めが面白いなと思うのはその点です。事務の枠を超えて、薬の知識、看護の知識、医師の知識のほんの少しでも自分のものとして吸収していければ、一事務スタッフの枠を超え、診療所にとって大きな力になるでしょう。
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