在医総管は難しい
みなさんの診療所では、訪問診療を行っていますか?「うちは在宅専門じゃないから。」「内科じゃないし、関係ないかなあ。」そんな声も聞こえてきそうです。私も新規開業の診療所に勤め始めた頃、外来患者様の対応だけでいっぱいいっぱいの状態だったので、「うちには関係ないや。」とあまり勉強をしませんでした。
しかし、新規開業から4年を経て、気が付くと訪問診療の患者様が数十人いる状態に。今年からは在医総管の届出もし、本格的に在宅もスタート。知らないでは済まされない状況に追い込まれてしまいました。
さて、その在医総管(在宅時医学総合管理料)、かなり難しいです。それに伴う加算も色々あります。
在宅移行早期加算
まずは基本の診療点数早見表をチェックです。在医総管の項目を開けると、数ぺージにも渡って書いてあり、読むのが嫌になりますね。在宅移行早期加算の項目を探して読みましょう。最初からめげそうですが、まずは基本の音読。何回も声に出して読んでみましょうか。(余談ですが、難しい読みものは、音読することで理解度が格段に上がりますよ。目で見て、声に出して、その音を聞いて、普通に目視するより3倍の効果があります。)
「在宅移行に移行後、当該点数を算定した日の属する月から起算して3月以内の期間、月1回に限り、在宅移行早期加算として、100点(月1回)を所定点数に加算する。ただし、在宅医療に移行後、1年を経過した患者については算定しない。」
在宅移行早期加算は退院して、その後に在宅に復帰した患者様に取れる加算。在医総管の対象患者様が入院した時には、注意が必要です。退院したという連絡をもらったら、3か月以内の期間、月1回に限り算定出来ます。但し、退院から1年を経過した患者様には算定出来ません。
Q&A
Q1:大腸カメラなどの一泊入院の場合は、算定できますか?
A1:検査入院や一泊入院の後に在宅医療を開始した場合は算定出来ません。
Q2:退院から1年を経過して、再度入院をし、在宅に移行した場合には、もう一度在宅移行早期加算を算定できますか?
A2:算定出来ます。
Q3:入退院を繰り返している患者様はその都度算定出来ますか?
A3:同一の患者様が入退院を繰り返している場合でも、退院の度に改めて算定が出来ます。
Q4:入院起算日がリセットされない3か月以内の再入院の場合でも算定出来ますか?
A4:算定出来ます。
Q5:在宅医療に移行後、一年を経過した患者様で、再度入院の上、在宅医療に移行した場合は算定出来ますか?
A5:算定出来ます。
Q6:退院後、外来通院しながら療養を行っていた患者様が、状態悪化により在宅医療を開始した場合、退院後1年以内であれば、算定出来ますか?
A6:算定できます。退院後1年以内であれば、当該管理料の算定開始月から3月を限度として加算は算定出来ます。
Q7:レセプト摘要欄への記載事項はありますか?
A7:初回の管理料算定年月日を「摘要」欄に記載する必要があります。
まとめ
在宅医療を始める患者様は、大抵の場合、外来診療からいきなり在宅というより、体調の悪化に伴い、一旦入院をして、その後から始めるケースが多いものです。そうなると、この在宅移行早期加算は、かなりの確率で算定出来るケースが生じてきます。
Q6でも書きましたが、一旦入院後に外来に戻って来られ、その後在宅へと移行する場合も算定出来るので、この患者様が一体どういう経過を辿って在宅医療を受けられることになったのか、遡って調べることも重要ですね。
今後は益々在宅医療へと舵を切る日本。益々算定も複雑化するのが予見されますね。今日は在宅移行早期加算について書きましたが、このブログでも在宅医療について今後も発信していきます。
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