わかる診療点数早見表ガイド 分割処方について

分割処方について
今日の診察のことです。軽度認知障害の患者様です。月に2回診察に来てもらっています。
「実は、明日から、愛媛の娘のところに行くんです。先生、いつもより長く薬を出してもらえませんか?」
「処方は30日分が限界なんですよ。」
「そうなんですか・・・」
「どこか娘さんのご自宅の近隣の病院でもらって頂くしかないですかね~」
(実は、当院のドクターは、昨年度の診療報酬改定の長期投薬に係わる原則に強く拘って、30日以上の投薬を認めていません。)
長期投薬を行う場合は、いくつかの条件が追加されました。
- 患者の状態が安定していること
- 服薬管理が可能であること
- 病状が変化した際の対応方法、医療機関の連絡先を周知すること
30日を超えた場合は、
- 30日以内に再診を行う
- 200床以上の保険医療機関にあっては、他の200床未満の病院又は診療所に文書による紹介を行う
- 患者の病状は安定しているものの服薬管理が難しい場合は、分割処方に係わる処方せんを交付する
診療点数早見表をチェックしてみると

医師が処方する投薬量については、予見することができる必要期間に従ったものでなければならず、(薬を処方するときは、やたらと長く、だすものではありません)30日を超える長期の投薬を行うに当たっては、(30日以上薬を出す場合は)長期の投薬が可能な程度に病状が安定し、(病気の状態が安定していて、同じ薬でしばらく大丈夫という感じ)服薬管理が可能である旨を医師が確認するとともに(薬の管理ができる人、または誰かがしっかり管理してくれることを確認する)病状が変化した際の対応方法及び当該保険医療機関の連絡先を患者に周知する。(病気が悪くなったときの方法や、病院の連絡先を教えてあげること)
この患者様は病状は安定しているものの、軽度認知障害があり、一度に30日分の処方をすることは危険もあるので、滞在先の娘さんに服薬管理をお願いし、今回分割処方せんで対応することとなりました。
分割処方の処方せんの出し方
分割で処方せんを発行する場合の注意点は、備考欄に分割回数及び分割ごとの調剤日数を「備考」欄に記載する。また処方した医薬品の中に分割調剤の対象でない医薬品がある場合(ここではアモバン)のみ、分割調剤を行う医薬品が明確にわかるように、「処方」欄に記載する。なお、薬局への具体的な指示事項がある場合にも「備考」欄へ記載する。
分割処方の流れ
「処方せんは1枚だけでしたが、その後2回目、3回目は処方せんはどうなるのですか?」
まとめ
分割処方なら病状の安定した患者様に何度も病院に足を運んでもらう必要がなく、便利な方法ですよね。医療機関の混雑緩和をはじめ、再診回数の減少による医療費や通院負担の軽減につながるというメリットもあります。前回ジェネリックに関して書きましたが、お試しにジェネリックを使用してみる。なんてことも出来そうです。もしジェネリックで不都合があった場合には、処方せん記載通りに戻すなんてこともできるという訳ですね。
