自動精算機導入
先週、とうとう当院のクリニックに自動精算機が導入されました。
某会社の自動精算機で、病院にあるような直立型のものではなく、受付のカウンターの机に設置する卓上精算機です。今までお支払いの時は、患者様を呼んで、アナログにお金を頂いてお釣りを返す方式を取っていたのですが、お金の授受はすべてこの精算機が引き受けてくれることになりました。
どういうものかというと☟
手順はこんな感じ。
- 患者様に診察券に印字してあるバーコードをかざしてもらう
- 請求額が表示される
- お金を投入し確認ボタンを押してもらう
- おつりが出てきて、領収書、明細書がとなりのプリンターから出てくる
良かった点
今までは、手でお金を頂いて、レジを打ち、おつりを手で返し、会計簿に記入する。といった一連の仕事が必要だったのですが、そのすべてを精算機が請け負ってくれているので、スタッフが現金を触ることがなくなりました。今までは最後にお金が合わなかったり、貰い間違えがあったりと、色々とストレスがあったのですが、この精算機のお陰ですっかりそのストレスは無くなりました。お金って1円でも合わないと本当に嫌な気分ですからね。たとえ1円の相違でも院長に報告をし、インシデントを書いていたので、本当にこれは助かります。
患者様の反応
一番心配だったのが実はこれでした。高齢者も多いクリニックですし、硬貨を1枚づつ投入するのも難しい腰の曲がった方も多いですから。
最初この精算機が入っただけで、朝の患者様の様子がまず変わりました。
「これ、何?」
「自動精算機ですよ。今日から皆さまにご自分で精算して頂きますね。」
「えー。そんな難しいこと出来ないわよ。」
と困り顔ながらもなんとなくウキウキした様子。新しいものっていくつになっても、なんとなく好奇心がそそられるようです。
いつもは「私の順番まだ?」と言ってくる患者様も、前の人や知り合いの人が精算機でお金を払っていくところを、全員食い入るように見ています。最初なのでスタッフが付きっ切りで説明をして補助をしている様子を、どの人もみな熱い視線で見てくるのです。
自分の番が来たらうまくやらなきゃと思っているのか、全員予習をしているよう。日本人って本当に勤勉で真面目なんだなあ~と妙に納得した私です。
実際、精算機でうまくお金を払えた高齢者の患者様が、とてもうれしそうに帰って行かれるのが印象的でした。ちょっとしたコインゲームをしているような感覚なのでしょうかね。
反対者が多く出るかもと思っていた心配は見事に打ち破られました。
患者様の中には、「院長、人件費削減だね。」とニヤッと笑っていかれるかたもいて、ドキッとしましたが。
悪かった点
悪かった点は、まだ精算機と電子カルテとうまく連動出来ないところがあり、一部、未収がある場合に精算が出来ない場合もあって、完全に従来の会計業務とは切り離せない点です。
実際、精算機導入から1週間経ちましたが、電子カルテとの連携不具合で、従来の会計に慌てて戻したりスタッフが問題が生じた時に不慣れなために対応が出来なかったりと、実際に慣れるのにはもう少し時間がかかりそうです。
あと、患者様に言われたことは、「スタッフの人と、おしゃべりしながら会計するのが楽しかったのにね。」と。コミュニケーションをすることは自動精算機になっても積極的に行っていかなくてはと思いました。
まとめ
クリニックに自動精算機導入。これがいいのか悪いのか、まだ実際わかりませんが、スタッフの手間が軽減されるのは事実。院長はその分、スタッフに早く帰ってもらって残業を減らして欲しいと思っているようですが・・・今後雇うはずだったパートさんを削ろうとしているのも本音のようです。
電子カルテに、レセプトチェックソフト、自動精算機、お掃除ロボに、自動予約受付、そのうち保険証確認機なんてのも出てくるのでしょうか。
みなさん、もう医療事務がすることがなくなってしまう時代が目の前ですよ。
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