今月のレセプトチェック レセプトの基本のき
レセプトの基本のき
今でこそ、レセプト業務をこなせるようになってきましたが、実は最初散々たるものでした。以前勤めていた病院では、紙レセプトを点検するまでは、したことがありましたが、送信、返戻、再審査などは、他部署の方の仕事でしたので全く係わったことがありませんでした。
しかし、新規開院のクリニックに転職してから、医療事務に関することは規模は病院より小さいながらもすべて係わらなくてはなりません。知らないでは済まされない状況でしたので、すべて一から手探りで勉強し、なんとか形になったところです。今日はそのレセプトの基本の「き」をお話しします。
1.これがレセプト(診療報酬明細書)です。☟

2.レセプトの流れ
病院から支払基金と国保連合会にレセプト請求をする期限は毎月10日までになります。(電子請求、郵送請求、持ち込み請求すべて(10日必着です)
その後請求が受理された不備のないレセプトは翌月20日に入金されるという仕組みです。
3.不備のあるレセプトはどうなるのか?
- 返戻はレセプトが戻ってくること、医療費が入金されずに何らかの理由で医療機関に差し戻されること(返戻レセプトについた付せんに沿って、そのまま再請求することが出来ます)
- 査定はレセプトを審査されて増減点処理されること(病名の不備や、医療上の不備等を指摘され点数を引かれることです。これに不服がある場合は再審査請求をすることが望ましいです)
- 過誤調整は保険者からの査定を受けて増減点の相殺を受け入金されること(一旦支払基金、国保連合会を通過したものの、保険者からの査定を受けて点数がひかれたことを通知してくることです、これも不服がある場合は、再審査することが望ましいです)
- 再請求は返戻されたレセプトをもう一度請求することです
- 再審査請求は一度減点されたレセプトの不服がある場合に、再度意見を添付して請求することです
- 取り下げ依頼は再請求を行うために医療機関側から提出済みのレセプトを返戻請求すること
- 返戻依頼は単純にレセプトの間違いを発見し訂正のために取り下げること
- 月遅れ請求は通常は1か月分もまとめて翌月10日までにレセプト請求するが、何らかの理由で間に合わない場合、次の月のレセプトと合算して請求すること
4.再請求・再審査で注意するポイント
レセプトは電子請求されたものであっても、紙レセプトとして返戻されます。再請求や再審査を行う場合は、この紙レセプトが手元に戻ってきてから手続きします。
私も最初、保険番号違いのレセプトに気付き、取り下げ依頼をしたのですが、紙レセプトが戻ってくるのを知らずに、そのまま再請求をしてしまい、その後紙レセプトが戻ってきて初めて二重請求をしたことに気付き、大慌てしたことがあります。もちろんその後二重請求のうちの一件を取り下げ請求しましたが・・・もう少しレセプトの事務の流れを知っていればこんなことにはならなかったのですがね。それではみなさん、しばし、レセプトの事を忘れてよいゴールデンウイークをお過ごし下さい。