クレーマー対策どうしてますか?
1受付での出来事
「おい。一体、何時間またせるんや。あのオバハンより、こっちの方が早く受付したのに、どうなっとるんや!」
これは、初めて当院に来た、強面の60代男性の怒り声。
2.検査室の出来事
「毎回毎回検査ばっかしよって、何がわかるんや。金ばっかかかるし、痛いだけやないか。検査いらんぞ」
これは、80歳男性。
3.診察室の出来事
「3日ほど、薬飲んだんやけど、全然、ようならんから、やめたわ。なんで治らんのや。」
これは、70代男性の弁
どれが、クレーマーにつながる声でしょう
答えは1~3。全て。
この段階で、丁寧に治療や検査の必要性を説明することによって、本当のモンスターペイシェントにならないよう防ぐことができる段階です。
1の場合
怒鳴り声をあげることで、周りに迷惑をかけ、暴言、暴力で、自己主張をする困った患者。もちろん受付をする際に、初めての患者様は長らくお待たせすることがある点。具合の悪い患者様を優先させる場合がある点など、充分受付スタッフから説明してるにも関わらずの暴言です。
2の場合
治療のために、検査をしているのですが、何故必要か実際わかっていらっしゃらない状態。検査の必要性を医師から伝えてもらい納得してから検査を受けてもらう必要があります。
3の場合
医師の治療方針に納得がいかず、投薬自体が無意味と勝手に決めつけている状態。医師の方針に従ってはじめて、治療となることを理解していただく必要があります。
さて、こういうトラブルにはどう対処すればよいのでしょう。
1の場合
当院では、予約患者と予約外患者が混在する方式を採用していて、予約患者は最低でも30分、予約外患者は1時間を超えて待たせないよう努力をしていますが、やはり、その日の診療の流れによって、お待たせ時間が伸びてきます。そんな時、患者様の見える場所に、こういう張り紙を出しています。

この張り紙を出すことによって、心理的効果があるのか、クレームは多少減りました。ある程度の目安を表示すると、気分的に余裕が持てるのかもしれません。
しかし、急患対応などで、益々お待たせする場合は、受付から、声をあげて、「ただいま、急患患者様処置のため、診療が長引いております。申し訳ございません。」と声をあげることにしています。
2の場合
医師に診察時に現在の病状と、治療するために、検査が必要なことを納得いくまで、説明して頂きます。その上で、検査を拒否する場合は、当然、診断に誤りが生じるリスクを納得してもらいます。
3の場合
これも治療のために、投薬が必要なことを医師から納得いくまで説明して頂きます。その上で投薬拒否される場合は、病状悪化も致し方ないことを説明します。
何故クレーマーが増えたのか?
病院がサービス業になり、患者様と呼ばれるようになってから、モンスターペイシェントは増えたと言われています。インターネットの普及で、自分の病気に対して患者側の意識が高まり、自分で、自分の病気を診断してしまっているので、医師との意見の食い違いがおこるのは当然。しかしながら、医師もある程度、自分の方針に従って頂けないのであれば、病状を軽快する可能性が低くなることを説明しなくてはなりません。
まとめ
この程度のクレーマーなら、医療側からの説明を毅然と行うことによって、理解して頂けると思います。あくまでも毅然として、スタッフ全員の意思疎通の元、病院の方針を根気よく患者様につたえましょう。

しかしながら、暴言が、暴力に発展し、病院の業務を邪魔されることになったら、迷わず、警察を呼びましょう。基本的に警察は民事不介入の態度ですが、繰り返し来られて迷惑を感じることがあれば、クレーマー報告書↑などを作成し、警察に介入してもらう必要があります。