スタッフミーティングと勉強会
医療事務のインシデント
インシデントとは、ウィキペディアを調べてみると、一歩間違えれば重大事故になるが、事故にならずに済んだ事例である。 業務上のこのような事例の発見はヒヤリ・ハットとも呼ばれ、これらの事例を集計することによって、インシデント・医療ミス・医療事故の発生の予防に役立てているとある。
当院でも当然そのような事案は皆無ではない。保険証を間違えて渡してしまったり、会計を打ち間違えて、患者様に余計に請求してしまったり、もちろん患者様が帰られる前に気づき、大事には至らなかった事例であるが、インシデントはインシデント。その都度、報告をしている。インシデントが少ないと少ないで、最近、事務からインシデントが上がってこない。と言われ、隠しているかのような印象を持たれるのも面白くない。
そんな事例をやり玉にあげられるのが、このスタッフミーティングなのである。反省のために、もちろん、全員が共通意識を持つためにも必要なことではあるが、あまり、気分の良いものではない。小さい組織なので、事案が発生した段階で全員に知れ渡っていることなのに、それに加えて、もう一回スタッフミーティングで指摘をする必要があるのか。と少し疑問に思う。
勉強会![749549s[1]](http://blog-imgs-112.fc2.com/o/s/i/osieteiryoujimu/201706182031352ce.jpg)
スタッフミーティングの後に、引き続き行われるのが、勉強会という、魔物。スタッフが毎月順番に何かテーマを持って、調べ、発表するというもの。私は、勉強会というより、発表会だと理解している。院長がそういうのが大好きなのだ。
看護師さんは、結構そういうのに慣れているのかとても発表が上手であるが、事務スタッフは、その制度にほとほと困りはてている。何か研修を受けた後の発表であれば、比較的楽であるが、何もテーマのない時は、自分で調べてまとめなくてはいけない。最近、院長がパワーポイント用の機器一式を買ってきて、暗にパワーポイントで資料を作って発表しましょうなどと言ってくるので、たまらない。パワーポイントを使ったことのないものに取っては、冗談じゃないってところらしい。ましてや、小さい子供のいる主婦にとって、じっくり何かを勉強する時間などない。そんな事務スタッフの不満を知りながら、まあまあとなだめ、給料の一貫だから、なんとかまとめましょうと年配の私がなだめている今日この頃。
私はというと、このブログを好きで書いているようなタイプ故、そんなにきらいな方ではない。先月私の順番が済んだばかりであるが、もう次のネタを考え始めている。ちなみに、先月の私の順番の時は、昨年、話題になった、「週刊現代」の医療記事について調べて発表した。ご存知の方もいらっしゃると思うが、「医者に言われてものんではいけないクスリ特集」シリーズである。当院でも患者様がその記事を読んで、「この薬のんで大丈夫なのか?」と院長に質問したりしていて、気になっていたのだ。全く医療事務とは関係ないネタを敢えて選んだのには、訳がある。医療事務にもろに関係することだと、院長が何か突っ込みを入れてくるのが予想されるので、面倒なのだ。普段から算定にうるさい院長。それを業務に活かせと絶対言ってくるので、より専門性を追求されてややこしくなるから、敢えて横道に逸れたのだ。
本当に必要な勉強会とは
実は、私は当院で行われている勉強会より、もっと医療事務として大切な勉強会があると思っている。
算定のこと、事務業務のこと、レセプトのこと。事務スタッフ全員で共通の認識を持つ必要がある。当然と思っていたことを思い違いをしていて、間違えていたってこともあるし、毎日顔を付き合わせているのだから、全員共通の認識と思っていたことが、違っている場合だってある。
何かテーマを持ってカッコよく発表する勉強会より、日々を振り返り業務を確認しあう、そんな小さな勉強会の積み重ねが本当は必要なのではと思っている。