今月のレセプトチェック 投薬のルール

早いもので9月が始まりました。急に空が青く澄んで、秋風が心地よく感じられるようになりましたね。さて、レセプトシーズンです。今月も張り切って点検スタート!


投薬の基本



レセプト点検の時に、何を重点的にチェックしていますか?意外に漏れてしまうのが、投薬の内容。病名に漏れがないかは、チェックしますが、内容については見落としがちなもの。一旦医師が、処方したものですので、今更処方内容は変更できませんが、医事として、過剰と判断できる場合、前もって症状詳記をつけたりなど工夫は出来るものです。まずは投薬の基本の主なものをピックアップ。



  1. 同一患者に同一日に院内処方と院外処方は、原則、認められない(緊急時の臨時処方として同一日に院内・院外処方を行った場合:処方箋料と院内投薬の薬剤料のみ算定する。院内投薬に係る処方料・調剤料・調剤技術基本料は算定できません。)


  2. 薬剤量と適応は、記載どおりのものとする(文献を確認すること)私は、「今日の治療薬」南江堂でいつもチェックします。

  3. 頓服は、1回につき10日まで(当院では14日まで出すこともありますが、今のところ減点はありません。)

  4. 抗生剤など常用量を越えないこと

  5. 禁忌薬のチェック

  6. 内服の処方日数は基本30日まで

  7. 湿布は1回につき70枚まで

  8. うがい薬のみの治療を目的としない投薬は算定できない





その他、薬についてはここで書ききれないほどのルールがあります。いつも大体同じ薬剤が出る場合は、診療点数早見表の「投薬」の欄などを参考に、院内ルールをあらかじめ作っておくことをお勧めします。



参考:こちらのページもどうぞ 


バルトレックス   ヨーデル   クラリスロマイシン   アリセプト3㎎ 

薬の長期処方   漢方薬の保険適用   湿布枚数         一般名処方 

特処・長期      処方せん料             病名整理


まとめ


投薬に関するレセプトチェックは、多剤にわたり、ルールも様々で専門的ですので難しく感じられますが、まずは、院内でよく処方される薬についてチェックをし、院内ルールを作っておくことをお勧めします。あと、過去に査定された一覧表を作っておくとレセプトチェックに一役買いますよ。ではみなさんレセプト週間、頑張って乗り切りましょうね。

HbA1cの減点

明日はレセプト送信です。
それにもかかわらず、押し寄せてくる盆休み前の患者様の列列列。

朝から「ここはどこ?」という程、ワイワイガヤガヤ、元気な?お年寄りたちの笑い声話し声。

「お宅が長い夏休み取ってんやからなあ~。」の鋭い患者様の突っ込みに、「そうですよね。確かにこっちの勝手休みなんですけどね。病院は、通常診療ですものね。でもクリニックの醍醐味ってそこぐらいなんですから、休ませて下さいよ」。と心でつぶやき、顔で笑って。

おまけに台風の警報で、子供さんが休みになり、急きょ休みを取らざる負えなくなったスタッフもおり。

朝から院内も台風でした(´;ω;`)ウゥゥ

そんな中でのレセプト点検。国保からこんな減点が戻ってきました。


まさかのHbA1cの減点です


縦覧点検 

5月30日 HbA1c 施行 (病名 糖尿病疑い)

6月27日 HbA1c 施行 (病名 糖尿病疑い)





まさかHbA1cは1か月に1回のみ算定の検査の代表格!

月1回のルールは守ってますし、病名漏れもありません。

それなのに何故???




大事なことを忘れていました。というよりそこまで気が付かなかったこちらのミスですね。この患者様、糖尿病の疑いはあるものの、あくまでも疑いのみ。医師に相談すると、値的にほぼ糖尿病に近いらしいですが、微妙なところだそう。なのでもちろん薬もまだ出ておりません。そこを見落としていたんですね。糖尿病確定診断で、毎月1回HbA1cを測っていたとしたら、何の問題もなかったのでしょう。しかし、ほぼ寝たきりに近いこの患者様に、そこまで多くの検査は過剰と判断されたのでしょうか。縦覧点検でチェックされたのは、当院初めての事例です。突合点検での減点は、たまにあったのですけどね。


参考

縦覧点検とは・・・同一医療機関の同一患者について、サーバーに蓄積している過去6か月分のレセプトを参照して、当月のレセプトを審査することをいう

突合点検とは・・・医科・歯科レセプトと調剤レセプトをコンピューター上で患者単位に紐づけし、院内処方のレセプトと同様に病名と医薬品の適応、用量等の適否を審査するものである


週1回 月1回 複数月1回の検査(レセプト総点検マニュアルより抜粋)






まとめ


医師の中には、納得いかない部分もあるようですので、とりあえず再審査してみます。結果は数か月後にお知らせ出来ればと思います。明日は、台風一過。よい天気になるでしょう。(子供の頃は台風一家だと思っていました・・・)レセプト終了まであと一息。お盆の波にのまれながらのレセプト業務、皆様頑張りましょうね。







病名整理について

ここ連日の猛暑のせいか、お盆前の駆け込み受診のせいか、毎日大勢の患者様が診察を受けに来られます。多くは定期的な診療ですが、最近特に多いのが脱水症・熱中症の患者様。外で作業や仕事をする人だけでなく、涼しいはずの家の中にいる年配者でも、脱水症になっている方が多く見受けられます。

「最近しんどいですわ。」

「食欲がなくて・・・。」

という訴えの患者様が来られると、まず血液検査を施行。

検査の結果、大抵の患者様が脱水になっていらっしゃいます。

そうなると、連日の点滴指示。食事の摂れない方にはエンシュアなどの栄養剤が処方されます。




急性期病名


問題:上記のような患者様につけられる病名はさて何でしょう。

生理食塩水などの補液での点滴の場合は➡脱水症

嘔気・嘔吐も伴う場合は➡嘔吐症

栄養剤が処方されれば➡栄養障害

補中益気湯・清暑益気湯などの漢方が処方されれば➡食欲不振など

腎機能・肝機能検査が行われれば➡腎機能異常疑い・肝障害疑いなど

発熱もあり、風邪症状も伴う場合の胸部レントゲン検査は➡肺炎疑い

同じく尿検査もした場合は➡膀胱炎疑い


これでレセプト病名は通過できます。


このような病名を急性期病名と言います。発症はするものの、すぐに治る可能性のある病気のことです。




病名の転帰について


急性期病名は、治癒や中止をした場合、素早く転帰をする必要があります。

最低でも3か月以内には中止・治癒しないと、病名整理をするようにと、国保や社保から指導を受ける場合もあります。出来るだけ、急性期病名・疑い病名はその都度整理をしましょう。




点眼薬(抗生剤)には注意


咽頭炎・膀胱炎・脱水症などに伴う処方は、急性期病名であることが分かりやすいので整理するのは比較的簡単です。

しかし、クラビット点眼液・タリビット点眼液など抗生剤入りの点眼液が処方された場合、整理をするのを忘れがちです。先日もクラビット点眼液が3か月以上続けて処方されていた患者様のレセプトが、減点されて戻ってきました。眼瞼炎の病名が3か月以上も続くのはおかしいという理由でした。それからは、処方される度に、中止をし、新たに処方が継続されたとしたら、医師に新しく病名を付け直して頂くようにしています。



抗生剤(クラリスロマイシン)等の長期処方について


患者様によっては、長期にわたって抗生剤が投与される場合もあります。肺の疾患などがある患者様で、少量の抗生剤長期投与によって、状態が安定する場合もあるからです。

しかし、そのままレセプト請求をすると、あまりにも抗生剤を長期に使いすぎていておかしいという理由で、減点される場合もあります。

やはりこれも以前減点して戻ってきたので、医師の診断・治療方針を症状詳記に記入して頂き、再審査請求をしました。その後は、一旦減点されるのも面倒なので抗生剤長期投与の患者様には、最初からレセプトに詳記をつけて提出しています。




まとめ


今週は脱水症の患者様の連続で、スタッフ一同疲れ切ってしまいました。来週に向けて暑さはますますピークを迎え、今日は福岡県糸島市では38.9℃を記録したとか。インフルエンザ並みの高熱ですよね。夜になってもあまり気温が下がらず、30℃以上が続くようです。昼間だけでなく夜間の熱中症のリスクも高いようなので、室内温度の調整・水分補給をしっかり行いましょう。我が家の犬猫たちも涼しいところをみつけて寝転んでおります。

今月のレセプトチェック バルトレックス

同じ薬剤でも用量が替われば、病名も替わり、効能も替わる薬剤って結構ありますよね。バルトレックスもその一つ。以前にバルトレックスの病名と用量の不一致で減点されたことがあります。

患者様の強い希望で、多めに口唇ヘルペスの薬が欲しいと所望され、うっかり規定より多く出してしまったための減点でした。医師をはじめとし、医事のレセプトチェックでも気付かず、そのまま請求してしまい、減点となったもの。今日はバルトレックスについて調べてみます。


バルトレックス(今日の治療薬 南江堂より抜粋)




バルトレックスは抗ヘルペスウイルス薬です。口の周りに出来れば口唇ヘルペス、性器に出来れば性器ヘルペス。体の神経のある場所に集中的にぶつぶつが出来て、痛痒いのが帯状疱疹。体内に潜んでいたヘルペスウイルスが免疫が低下すると発疹となって表れる病気です。帯状疱疹は、子供の頃にかかった水疱瘡のウイルスがひっそりと陰をひそめていたはずだったのに、突然暴れだす病気です。そんなとき、ウイルスをやっつけるために登場するのがこのバルトレックスという薬です。


主なポイント


①単純疱疹の時

1回500㎎ 1日2回 ×5日間




③帯状疱疹

1回1000㎎ 1日3回 7日間まで


ミスの原因


この患者様は、口唇ヘルペスですので、500㎎ 2錠 5日間が基本。
単純に医師の勘違いで多めに出しただけではありますが、周囲の誰も気付かなかったのは✖です。
患者様は出来るだけ多めに薬を出してもらおうと、サラリと注文をつけるものです。
「よくヘルペスになるんです。念のため手元に置いておきたくて・・・」
「来月、旅行に行くので多めにもらえませんか」
「他の病院では、3か月もらえてました」
などなど。つい巧妙な口車にのってしまうことって、医師とはいえあるんですよ。もちろん医学的理由があってのこともありますが・・・
そんな時、医学的理由であるのか、ついうっかりだったのか、医事としては、上手に医師に尋ねなくてはいけません。

まとめ


医療事務員は医師でも薬剤師でもないので、薬についてとことん詳しく勉強する必要はありませんが、結局最後の請求時に、医学的理由で査定されることって多いものです。その時、再審査するのかどうか医師に尋ねる必要が生じてきます。そんな時、互角に医師と渡り合っていくためには、やはり正しい知識は必要ですよね。常日頃から薬の効能、用量などについて関心を持つところから始めましょう。


レセプトチェックの小道具たち

そろそろレセプトチェックの時期がやってきます。1か月は早いですね。今日も業務終了後の紙レセプト印刷をし、家に戻ったのは9時を回っておりました。家事を終了してやっとパソコンの前に座ることが出来ましたが、週初めだというのに、少々ぐったり。レセプト時期になるたびに年を感じます。昨日、大大ファンの浅田真央ちゃんの「THE ICE」を観に行き、感動のパワーを頂いて参りました。そこで購入した「ベスト・オブ・スケーティング・ミュージック」を聞きながら元気をチャージして、パソコンに向かっております。さて、今日はレセプトを正確に素早くみるための、私の拘りの小道具紹介します。
(あくまでも私の個人的見解ですのでご理解のほど)


小道具その1

①ジェットストリームの3色ボールペン0.7mm(色は 赤 黒 青)
数あるボールペンの中でも指先部分のラバーの感触がしっくりいくところ、握った時のほどよい太さ、そして何といってもペン先の滑りの良さ。筆圧の強い私にはこの0.7mmがピッタリ!かれこれ3年以上、このペン一本で仕事をしております。難を言うとしたら、替え芯のインクがすぐになくなることぐらいかな。

②付箋  スリーエムのポスト イット(できれば黄色)
今まで色々な付箋をおともに仕事をしてきましたが、やっぱり値段のことだけはあります。粘着度がとにかくよい。せっかく貼りつけた付箋が途中ではがれたりしたら意味ないですしね。


③指サック コクヨのリング型紙めくり
年齢のせいか?指に油がないのか大量の紙をさばいていると必ず必要になるのが、これ!この指サックは空気の通りもよくまたほどよく指にマッチするのが使い勝手がよいです。かなり以前、指サックを使う前は「メクール」という固形型のりのようなものを使って指を滑らかにしていましたが、今もあるのかな?最近はもっぱら指サックを使っています。


④筆箱 コクヨのペンケース
これ、最初にみつけたときは、なんて画期的なの!と驚きました。普通のペンケースなのですが、立てて使うことも出来、持ち歩き先で、素早く立てて使える素晴らしさ!よくぞ考えてくれました。と考案者に拍手したい気持ちでいっぱいです。これ、5年前ぐらいに購入したもので、当時あまりの便利さに一緒に仕事をしていた入院係の仲間全員でそろえたのを覚えています。


まとめ

さあ、明日からレセプトチェックを始めます。この拘りの小道具たちをおともに、今月も問題なく終わりますように。皆様も一緒に頑張りましょうね。


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